中国やインド、ポルトガルやフランス、そして日本料理など、各国の食文化の影響を受けて発展してきた「タイ料理」。ポーチ編集部の辛口覆面調査隊が訪れた『EATS and MEETS Cay』は、タイ料理の知名度がまだ低かった1985年にオープンしたタイ料理の草分け的なレストラン。Part2では、料理2品とフレンチレストラン顔負けのデザート、ベトナムコーヒーをレビューします。(まだPart1をお読みでない方は、ぜひチェックを)


●『空芯菜の炒め物』(1200円・写真上)

ガーリックの香りが食欲をそそる、タイ料理の定番中の定番です。空芯菜がほどよく豆鼓醤(とうちじゃん)入りのソースとほどよく絡み合い、ご飯が欲しくなる味。辛いので注意してください。

●『カニ肉のカレー風味卵とじ』(1800円)

甘くてジューシーなカニ肉をカレー風味の卵でとじたという感じのお料理。カニ肉の新鮮さに驚きます。カニをチリソースと卵で炒めたシンガポール料理『チリクラブ』に近い印象ですが、日本料理には絶対になさそうな味。ぜひこの複雑な味わいを、読者のみなさんにも試していただきたいです。こちらもご飯が進むこと間違いなしの一皿、そして辛い。

●『ベトナムコーヒー』(650円)

スパイシーな料理を堪能したあとは、甘いものがほしくなるもの。ベトナムコーヒーがあったのでこちらを注文。「タイ料理店のベトナムコーヒー?」とちょっと侮っていましたが、現地のベトナムコーヒーと違って甘みが抑えられているので、かなり大人向きの味。きっと、上質なコーヒー豆を使用しているのでしょう。甘すぎないので、デザートと一緒にオーダーしてみましょう。

●『本日のアイスクリーム ハバネロ』(500円)/『伊豆大島天然塩』(500円)

タイ料理の〆には『マンゴープリン』と思っていましたが、数あるデザートの中でも特に異彩を放っていた『本日のアイスクリームハバネロ』(写真手前)と『伊豆大島天然塩』(写真奥)を選んでみました。まず驚いたのは、ハバネロも天然塩のアイスも、アイスクリームのベースが違うということ。ハバネロはバニラをベースにコンデンスミルクが入っているのでミルキーで優しい味。ハバネロを食べると喉が焼けるぐらい辛いですが、ミルキーなアイスと食すことで辛さも緩和されるようです。『伊豆大島天然塩』はベースのバニラアイスの口当たりが非常にさっぱりしており、塩と共にさっと溶けていく印象。こちらには玄米茶などの緑茶が合うかもしれません(メニューにはありませんでしたが)。どちらのアイスも上質なジェラートのような食感で、イタリア料理店のデザートといってもおかしくなさそうです。

●『フォンダンショコラ(温/冷)バニラアイス添え』(800円)

グルメを自負する編集隊を唸らせたのが、こちらのケーキ。フォンダンショコラはフランスのチョコレートケーキで、ケーキを割ると中からとろっとしたクリーム状のチョコレートが溶け出します。通常は焼いて仕上げるためクリーム状のチョコと、チョコレートケーキの食感の違いがはっきりと分かるものですが、こちらのお店のフォンダンショコラは、おそらく湯煎焼きにしてあるよう。全体がしっとりとろけるような食感でした。これはもう……食べてみていただくしかありません。ぜひ、食べてください!! ちなみにケーキに添えてあるバニラアイスは、バニラビーンズ入りの濃厚なアイスクリームでした。個人的には『伊豆大島天然塩』アイスとの相性がよいと感じましたよ。左奥にあるのは『ベトナムコーヒー』。

さて、Part1での「このレストランは、大人の遊び場?」という問いかけですが、毎月数回行われる音楽イベントや、こだわりの食材を使用した料理に豊富なアルコール類、さまざまなシーンに応じて楽しめる空間を通じ、編集隊である私たちはすべてにおいてこだわりをもった大人の遊び場だと感じました。本格派タイ料理というよりは、フュージョンに近い料理のラインナップではありますが、イベントに合わせた遊び心溢れるメニューは大人を飽きさせない工夫がなされていると感じます。かくいう我々編集隊(2名)も、音楽と食事にすっかり気をよくしてなんと7000円も予算オーバーに(編集長に叱られる~)! 足を運べば元気になれそうなパワースポットといえるかもしれません。

【お店のデータ】
店名: 『EATS and MEETS Cay』(いーつ・あんど・みーつ・かい)
住所:東京都港区南青山5-6-23 SPIRAL B1
電話:03-3498-5790
営業時間 :11:30~17:00(ランチ)/17:00~24:00(ディナー)
定休日: 日曜日
交通アクセス:地下鉄千代田線、銀座線、半蔵門線表参道駅 B1出口 徒歩1分
ウェブサイトhttp://www.spiral.co.jp/f_guide/cay/index.html