世界中で読まれている村上春樹さんの小説『ノルウェイの森』。松ケン主演の映画『ノルウェイの森』が公開され、いっそう話題になっています。
小説『ノルウェイの森』は、主人公の「僕」がヒロイン「直子」を思い起こす場面から始まります。回想の「僕」は、都内に住む大学生。神戸の高校の同級生だった「直子」と「五月の半ばの日曜日」に、電車のなかで再会しました。
「僕」と「直子」は、四ツ谷駅で電車を降り、「線路わきの土手を市ケ谷の方に向けて」歩き始めました。辺りの景色は、「鮮やかな緑色をした桜の葉が風に揺れ、太陽の光をきらきらと反射させていた」と書かれています。
原作と同じ新緑の5月、記者も『ノルウェイの森』の散歩道を、歩いてみることにしました。
【四ツ谷から飯田橋】
四ツ谷駅を降りると、横断歩道を渡った先に、土手の階段が見えました。上ると、1本の道が奥へと続いています。東京都心とは思えない、森に迷いこんだような風景です。
【飯田橋から千鳥ケ淵】
土手沿いの小道は、飯田橋という場所で終わりました。そこからしばらく歩くと、皇居・北の丸公園が見えてきます。お堀ばたから見あげることができるのは、日本武道館の屋根。また、足元では、お堀の形が羽を広げた「ちどり」に見えるという千鳥ケ淵の水面が輝いていました。千鳥ケ淵は桜の名所として有名で、春には、ボートをこぐカップルがたくさんいます。
原作ではこのあと駒込(こまごめ)という場所まで歩きます。『ノルウェイの森』の散歩道周辺には大学や学校が多く、記者が訪れた日曜日も、手をつないで歩くカップルがたくさんいました。
この辺りに住み続けている人も、4月から上京した人も、彼を誘って『ノルウェイの森』の散歩道を歩いてみてはいかがでしょうか?
(ライター=竹内みちまろ)
ライターブログ(http://bit.ly/k9GBDt)
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