文部科学省は30日、放射性物質の分布状況などについての調査「放射線量等分布マップ」のうち、「放射性セシウムの土壌濃度マップ」を作成、発表した。

同省が発表した、主な調査方法は次の通り。

「福島第一原子力発電所から概ね100キロメートル圏内の約 2,200カ所で、空間線量率を測定するとともに、各カ所 5 地点程度で表層5センチの土壌を採取し、土壌についてゲルマニウム半導体検出器を用いて核種分析を実施した」という。

「セシウム134」、「セシウム137」それぞれの土壌濃度マップを見ると、事故のあった福島第一原子力発電所から、北西に向けて高い濃度を示す赤色や黄色、緑色のドット(点)が広がっているのがわかる。

その次に高い濃度を示す、水色や青色のドットは宮城県との県境付近にまで達し、さらに、福島市や郡山市を東側を中心にすっぽりと多い尽くしている。一方、原発に近い場所に位置する、いわき市など県の南東地域は、それらの地域に比べるとそれ程高くないことがわかる。原発事故当初、同心円状に避難地域を指定していたことを考えると、なんとも無念でならない。

また、同調査の検証内容によると、「地表面に沈着した放射性物質の濃度分布は、土壌の採取地点が近くても、濃度に大きな差が生じることが確認されている、地表面に沈着した放射性物質の濃度分布は、土壌の採取地点が近くても、濃度に大きな差が生じることが確認されている」と報告している。

福島県域にお住まいの方は、たとえ自分が住む地域の濃度が少ないと発表されているとしても、草むらへ足を運ばないなど、できるだけ注意を払ったほうが良いだろう。
(文=めるりんこ)

参考:放射線モニタリング情報(http://p.tl/LQqx