早いもので今年も最終月となりました。師走というものは何かと忙しく、家でも職場でも今年の締めくくりや来年の準備のために「あれがない、これを準備しなきゃ!」とみんな大慌て。そして食事もついつい、早さが売りのファーストフードやフライパン一個で作れてしまう簡単料理にシフトしてしまいがちです。

それらはとても手軽で便利ですが、こんなバタバタした時期だからこそ、ゆっくりと時間をかけて食事を作り、家族や友人と団欒をしながら頂くという心の余裕も大切なのではないでしょうか。今回は記者の地元、静岡で季節を問わず一年中食べられている「静岡おでん」のレシピをご紹介いたします。

静岡おでんとは牛肉をベースにだしをとった真っ黒いスープに、串にささった具が特徴のおでんです。静岡以外の地域では居酒屋や専門店でしか食べられないのですが、そんなに高級なものが入っているわけではありませんよ。だしをとるのに少々時間がかかりますが、静岡ではどの家庭でも普通に食べられている、とても身近なおかずです。それでは材料からご紹介します。

【材料】
牛すじ肉:200グラム~好きなだけ
おでんに入れたい具:じゃがいも、こんにゃくなどなんでも好きなだけ
静岡おでんらしい具:黒はんぺん(いわしつみれで代用)、なると
だし粉:適量(スーパーのお好み焼き粉コーナーか、鰹節コーナーで売っています)
青海苔:適量
水:お鍋にあわせて適量
しょうゆ:適量
だし:適量
酒、みりん、砂糖:これらは無くてもまったく問題ありません。お好みにより入れてください。

【用意するもの】
竹串

ここまで見てお気づきの方もいらっしゃるでしょうが、材料は牛すじ以外適当で大丈夫。牛すじからおいしいだしが出ますので、そのあとは味を見ながら好きなものを好きなだけ入れて味を調節できます。記者は調味料はしょうゆのみでシンプルに作りますが、家庭ごとに色んな味があっていいと思います。では作ってみましょう。

1. 牛すじを一度ゆでこぼし、もう一度お湯で煮ます。沸騰したらしょうゆをいれて1時間ほど煮込みます。
2. 煮込んでいる間に、じゃがいも、大根などを下ゆでし、全ての具に串を刺します。
3. 1で作っただし汁に全ての具を入れていき、1時間以上コトコト煮込みます。



調理はこれでおしまい! たっぷり愛情を込めてコトコト煮込んだら、あとはだし粉と青海苔をふりかけて召し上がれ。牛肉のコクが練り物や野菜にしみこんでとってもおいしく、体が温まります。また、このおでんは煮込めば煮込むほど牛すじからだしがでて、二日目、三日目はとろっとろでかなりおいしいものになります。特に、牛すじ肉は噛まなくても口の中で溶けるほどの柔らかさになりますので、一日目に全部食べてしまわないようにお気をつけくださいね。

一口食べればじーんとあったまる静岡おでん、難しい作り方は何一つ無いので、お肉のアクをとりながら、具を煮込みながら、味見をしながら、ゆっくりと今年一年を振り返ってみてはいかがでしょうか? きっと心がほんわか落ち着くことでしょう。

(ライター=みあざきぱなま)