世界には類まれなる技をもった超人が存在します。記者がマレーシアを旅行中、旅先マラッカでたまたま見かけたマレーシア人大道芸人の何英輝(ホー・エングィ)さんはそんな超人のひとり。さて、ホーさんの驚くべき技をご紹介したいと思います。

レストランや土産物店が軒を連ねる、マラッカの目抜き通り「ジョンカー・ストリート」を散策していたある土曜日の夜、大きな歓声と共に人だかりができているのを発見! 覗いてみると、な・な・なんと人差し指で硬いヤシの実をかち割ろうとしている人がいるではありませんか!

ヤシの実をものすごい勢いで叩くこと数回、実に穴が開き、ココナッツジュースがプシュー! と勢いよく吹き出しました。お、恐るべし……。ヤシの実は通常、鉈(なた)で叩き割らないと割れないほどの硬さです。ということは、ホーさんの人差し指は凶器と言っても過言ではないでしょう。技がマレーシア版ギネスブックにも掲載されているのも納得。

さてこちらのホーさん、大道芸人かと思いきや、実は武道家。そして「薬油」という、痛みや打ち身を始め火傷に効果のある薬の売り子さんでもあるのです。パフォーマンスを最後まで見ていると分かりますが、彼の体を張ったココナッツ割りは、薬の効果を見せるためのもの。効果があるのかどうか、記者にはよく分かりませんが、パフォーマンス後は薬油が飛ぶように売れていました。

ホーさんのパフォーマンスは毎週土・日曜日の夕方から夜にかけて、ジョンカー・ストリートの夜市の一角で行われています。マラッカを旅する際にはぜひチェックしてみて。一見の価値はあるはずですよ!

(画像、動画、文=横山ローズ)

写真:Melaka Guide(http://bit.ly/wWMb8v

▼ヤシの実をかち割る瞬間を捉えました