普段、炊飯器を使っている私たちにとって、土鍋でご飯を炊くというのはまずありえないこと。それだけに、「土鍋でご飯炊いたんだ~」と話す人にただよう「こ、こやつ、デキる……!!」感といったらハンパありません。そのひとことで「この人、料理上手なんだ」とすら思ってしまいますよね。

しかし。実際にやってみると、土鍋でご飯を炊くのは難しくもないし時間もかかりません。そして何よりおいしい。今回は『美味しんぼ』92巻(作:雁屋哲、画:花咲アキラ/小学館)に登場する土鍋で作る「鶏とタマネギの釜飯」をご紹介します! 名前だけ聞くと手が込んでいそうですが、作ってみると拍子抜けするほどシンプルで簡単です。

材料は、お米、鶏肉(骨付きもも肉がよい)、タマネギ、しょうゆ、酒。以上。……以上です! これだけでおいしい料理が作れるのかと心配される気持ちもわかりますが、まあどうか言うとおり作ってみてください。

作り方は、お米を研いで30分ほど置いておく(冬場は1時間ほど)。タマネギは縦に六つ割りに。土鍋に米と水を入れ、しょうゆと酒で味をつける(米2合に対し水は400ccほど)。そこにタマネギと鶏を入れ、火にかける。水が沸騰したら弱火で12分、火を止めて12分放置(蒸らす)。

これでできあがりです! ふざけてんのかってぐらい簡単でしょ? 炊き上がったら鶏はいったん別にとって、骨を外して身を細かく刻みます。このとき、鶏肉の味が薄いようなら煮切った酒で割ったしょうゆで味を整えます。タマネギたっぷりの飯を椀によそって、その上に刻んだ鶏肉をのせたら……さあ、いただきましょう!


『美味しんぼ』にて食べた人いわく「うほ! たっぷりのタマネギのうま味が飯に染み込んで」「鶏から出た脂がタマネギの味を引き立ててるのよ」とのこと。なんとも『美味しんぼ』らしいコメントです。

そうなんです、鶏肉はホクホクして噛み締めるごとにうま味が出るし、クタクタのタマネギは「ただのタマネギがこんなに甘いなんて」と驚きます。そして、このおいしさはやはり土鍋ご飯だからこそ! しょうゆがじんわり染み込んだご飯は鶏肉&タマネギと相性抜群。鍋の底にはちゃ~んとおこげができているのも何ともうれしい! このおこげがまたおいしいんですよねえ。

土鍋によってご飯のでき具合が違う部分もありますが、何度か作ってみるとだんだんつかめてくるかと思います。炊きあがりの時間、水分量など調整して各自の好みを見つけてくださいね。とはいえ、記者も土鍋でご飯を炊くのは初めてでしたが、問題なくおいしく作れましたよ!

で……。こんなこと書くと「邪道だ!」と山岡さんに怒られそうですが、これ、残ったら翌日は親子丼にしたらめちゃめちゃおいしそうだと思いました。鶏肉を卵で閉じて、タマネギ釜飯の上にかけるの。絶対おいしいって! あとは応用編として、鶏肉とタマネギ以外にしめじや油揚げも入れたらこれまたおいしそう! ……ってこれじゃただの五目釜めしか。

とにかく、皆さんも尻込みせずに土鍋でご飯、炊いてみてください! 本当に簡単ですから。そこに鶏肉とタマネギを一緒に放り込んだら「鶏とタマネギの釜飯」が完成しちゃいますよ♪

ところで、久しぶりに『美味しんぼ』をじっくり読みました。ウワサで「山岡と栗田さんが結婚したらしい。しかも子どもまでいる」情報は聞いていたのですが、実際に見るとこれは……。昔のツンデレ栗田さんとロンリーウルフな山岡さんしか記憶になかった記者としては、栗田さんの貫禄ありすぎる風貌にも毒気が抜かれたような山岡さんのおじさん化にもビックリしてしまいました。山岡、太った? 幸せ太り? 幸せ太りなのか!? まあ幸せそうなら何よりですが。

(料理、写真、文= 鷺ノ宮やよい)

参考元:『美味しんぼ』(http://goo.gl/tqrhB