7月もそろそろ終盤。2012年も、もう半分以上過ぎてしまいましたね。今年の目標に「英語上達」を入れていた方もいるのでは? でも「忙しくて達成できていない」という方もきっと多そう。

そんなみなさんに提案です。「英語を学ぶ」ではなく、「英語で学ぶ」という発想に切り替えませんか? 調べてみたら、英語でできる習い事ってけっこうたくさんあるのです。英語でスポーツや趣味を楽しんだら、一度に二度おいしい濃厚な時間が過ごせるので、お得ですよね。

実は、「習得を目標とする言語環境で他教科を学び、その言葉に浸りきった状態で学習する」という方法は、カナダで1960年代に始まった「イマージョン教育」と呼ばれる教育法の1つ。最近では日本の小中学校でもイマージョン教育として体育や音楽などを英語で教えるところが増えているのです。

つまり、「英語で習い事」はれっきとした英語学習の方法なのです。というわけで、さっそく英語で習える習い事を紹介していきましょう。

【国籍を気にせずテニスを楽しむコミュニティを作る、GLOBA TENNiS】
まずご紹介するのはテニスレッスン。GLOBA TENNiS(グローバテニス)のヘッドコーチ、ジャンピエールさんは、「日本人も外国人も、国籍を関係なくテニスを楽しむコミュニティを作りたかった」と語ります。

その理想を実現すべく、GLOBA TENNiSのレッスンは外国人コーチ陣が英語で指導。外国人と日本人が一緒にレッスンを受けるスタイルです。クラスは6人までの少人数制なので、テニスも英語も密度の濃い時間が過ごせます。最近は小学生や中学生がキッズレッスンを取ったり、企業から依頼が来たりすることも多いのだとか。

また、コミュニティ作りを一番大切に考えているため、レッスンを通じてある程度打ち解けてきた段階で、少人数制のテニス合宿も行なっているとのこと。空気の良いところでテニスを楽しみ、温泉に入り、お酒を飲みながら英語で語り合ったら、単なる習い事仲間を超えた、熱い友情が生まれそうです。


「英語があんまり話せないんだけど……。」と心配な人も大丈夫。ジャンピエールさんは、「日本人が外国人と接するときに必要なのは、英語ではなく『積極性』だけ。英語がブロークンでも楽しそうな人であれば、みんなが好きになります。気にせず楽しんだもの勝ちです。」と言います。

積極性だけなら、記者でもなんとかなるかも……。そして、積極性だけで多国籍のテニスコミュニティの一員になれたら、次第に英語も話せるようになっちゃうかもしれませんね。

【プロの料理人がスーパーで買える食材を使って教える、A5cooking】
次にご紹介するのは料理レッスン。指導者のマットさんは、ノルウェー大使館やアメリカ大使館での料理長としての経験もある、一流のシェフ。そんな一流のシェフが、スーパーで買える食材を使って、世界の料理を教えてくれるのです。しかも英語で。

マットさんは、「世界の皆がコミュニケーション出来るようになり、仕事・プライベートどちらでも力を合わせて、助け合って、幸せな毎日を過ごせるようになること」を理想とし、気軽に話しやすい雰囲気で料理教室を開講しています。

レッスンの内容を見ると、7月後半はメキシコ料理でフィッシュタコスを学び、8月前半はオーストラリア料理、後半はベジタリアン・ブランチメニューと、学べる内容も国際色豊か! 英語が学べるだけでなく、料理を通じて世界の文化を知ることができそうです。

英語も料理も初心者という人でもご安心を。A5cookingのレッスンは1名から6名までと少人数制なので、マットさんの目も行き届きやすいことに加え、レベルに応じて日本語と英語を交えながらレッスンを行なってくれるのだそうです。

リラックスした環境の中で、他ではちょっと学べない「褒められレシピ」も学べて、英語も身に付いて、最後においしい料理を食べられるなんて、まさに「おいしい時間」の過ごし方ですね!

【レッスン後の英語のおしゃべりも楽しい、YogaSan】
続いて紹介するのはヨガレッスン。2011年度の人気おケイコランキングで、「英語」に次いで2位の習い事は「ヨガ・ピラティス」でした。(「ケイコとマナブ」調べ。)英語でヨガを学べたら、一石二鳥だというかた、多いのではないでしょうか。

YogaSanのレッスンはすべて英語で行なわれ、日本人と外国人が混ざって受講しています。指導者のパオラさんは、一人一人の要望に応じたレッスンを行なうことを大切に考えているため、レッスンを2〜6名と少人数にしています。


 
YogaSanのレッスン後は、飲み物を飲みながらおしゃべりタイムがあるので、英会話を練習するにはもってこいの環境。パオラさん自身も、ヨガの精神を深く理解するために毎年インドに出かけるなど、常に学び続けているため、質問やディスカッションの時間を取れるようにしているのだそうです。

自然光あふれる美しい空間と、オーガニック・エッセンシャルオイルの香りのする空気のなか、環境に配慮した備品を使って英語でヨガを学ぶ。ちょっと自慢したくなる習い事になりそうです。

【超一流アーティストから英語でダンスを学べる、ゴールドスクール】
最後に紹介するのは、英語でダンスを学べるゴールドスクール。ゴールドスクールの講師陣は、スポーツの喜びも悔しさも知り尽くして、心からスポーツを愛している各分野のスペシャリスト達。

「一流のアスリート達と触れ合う事で、スポーツの楽しさを感じ、スポーツを通じてみんなに楽しい毎日を過ごす事で、わくわく楽しい日本を創っていきたい。」これが、ゴールドスクールのコンセプトなのだそう。

英語でダンスを教えてもらえるのは秋から始まる「ブロードウェイ」クラス。このクラスも、講師は超一流です。なんと、ウエストサイドストーリー、キャッツ、エビータなど、ニューヨークのブロードウェイにおいて数々の舞台に立っていたトップダンサー、デレック・ダニエルズさんが来日して直接指導する豪華なクラスなのです。

ゴールドスクールでは、英語でダンスが学べる子ども用のレッスンもあるとのこと。超一流の指導者に教われるなら、英語で学ぶことへのモチベーションもグンと高くなりますね。

いかがでしたか? 今回は英語で学べる習い事のなかから人気の高いものを紹介しました。ここで紹介した習い事は、すべて「英語を教えている」のではなく、「英語で教えている」ものなので、英語を自分でブラッシュアップする必要はあります。でも、英語を使う環境になれば、英語学習にも気合いが入りますよね。

合気道やフラワーアレンジメントなど、英語で学べる習い事はまだまだたくさんあるようです。新しい習い事をしたいと思ったら、その習い事が英語でできないかを考えてみると、楽しく英語が学べるかもしれないですよ!

(取材、文=山川ほたる)

取材協力:GLOBA TENNiS(http://www.globa-tennis.com/jp/index.html), A5cooking(http://a5cooking.com/profile.html),ヨガサン(http://yogasan.net/sites/default/files/Japanese_YogaSan.pdf), ゴールドスクール/ダンス(http://www.goldschool.jp/curriculum/6