199612193143161669_42072207

大きなバックパックを肩に背負い、長期間にわたり国から国へと移動する海外旅行者、それが通称「バックパッカー」です。日本人がほとんどいない、日本の常識を超越した海外のへき地で偶然バッタリ日本人に出会ったりすると、様々な話をすることになります。

ガイドブックに載っていない安宿の情報、今まで行ってきた国の危険情報、「あの国はよかった」「この国は……」などなど、その内容は様々ですが、たまに出てくるのが『旅人の間だけでウワサされる都市伝説』。

ということで今回は、バックパッカーの間でウワサされる7つの都市伝説をご紹介します。もしもあなたがバックパック旅行経験者で都市伝説を聞いたことのある人ならば、自分の知ってる内容とのデティールの違いにもご注目ください!

その1:中国の見世物小屋で助けを求める手足を切られた日本人女性
中国の田舎町に「見世物小屋」があったので、どんなものかと日本人旅行者が入ってみた。すると、手足のない女性が「だるま女」として舞台に上がっていた。なにやらモノ言いたそうな目で彼女は日本人旅行者を見つめている。

気になって近づくと、「私は日本人の◯◯◯です。中国を旅行中に誘拐され、手足を切られて今ここにいます。どうか助けて下さい!」と小声で訴えている。しかし、怖くなって日本人旅行者は見世物小屋から逃げ出してしまった。

後に調べてみると、中国で行方不明になり、捜索願が出されている日本人女性の名前と同じだった! ……というお話です。このお話はかなり有名な都市伝説ですので、旅人ならば一度は聞いたことがあるかも知れません。

その2:日本人男性が震え上がるパキスタン・ラホールのレイプ宿
インドからパキスタンに陸路で向かう際、かなりの確率で宿泊しなければならないのが国境の街「ラホール」です。無理すれば突破することも可能ですが、バスなどの運行時間の問題で、おのずとラホール泊することになるといいます。

しかし、ここで日本人男性は気をつけなければなりません。なぜならば、日本人男性が宿泊していると、グッスリ寝静まった深夜あたりに部屋の天井パネルが「ズルズル……」と開き、天井から数名のパキスタン男性が部屋に侵入!

そしてそのままレイプされる……というお話です。なんでも童顔な日本人男性はパキスタン男性にとって「かわいい」と映るらしく、こんな話が広まったのだとか。天井ではなく「タンスから出てくる」というパターンもあります。

その3:インドのみどりさん
インドを長期旅行している「みどりさん」という日本人女性がいた。彼女は自らの身体を宿の主人に売り、つまり売春をしながら旅をしていた。気性が荒く、少しおかしな性格でもあったという。

あるとき、宿の主人だけではなく、宿のスタッフにまで体を要求され、なすすべもなく犯された。彼女は怒り狂い地元の警察へ通報。結局そのホテルの従業員は全員逮捕され、営業中止になってしまった。

その後もみどりさんは様々な伝説を残しつつ、他の宿の主人や現地人、旅行者にも身体を売り旅を続けた……という、ビミョーにリアリティのある都市伝説です。果たしてみどりさんは実在する人物なのでしょうか。

その4:こつ然と女性が消えるヨーロッパのブティックの試着室
「中国の見世物小屋のだるま女」とセットで語られることもあるのが、ヨーロッパのブティックの更衣室で日本人女性が忽然と消えてしまうという、神かくしのような都市伝説です。話のデティールは以下のとおり。

とある日本人夫妻がヨーロッパのブティックで買い物をしていた。気に入った洋服を見つけた奥さんは試着室に入った。しかし、いつまで経っても出てこない。しばらくして旦那さんが試着室のドアを開けると、そこには誰もいなかった……というお話です。

「スタッフもグルで見知らぬ顔」や「試着室内の鏡が隠しドアになっていて、その先には階段があり、地下道へ続いていた」、「アラブに売られた」、「そしてダルマ女にされた」という流れに派生するパターンもあるようです。

その5:インドのデカン高原に捨てられるホームレス
カースト制度ということもあり、インドには物乞いをするホームレスの人たちが大勢います。特に人の集まる主要都市が多い印象。そんな主要都市で何かの国際的イベントがあるときにウワサされるのが「デカン高原」のお話です。

たとえば世界各国から要人が集まる国際会議などがインドの主要都市で開催されるとき。普段ならそこらじゅうにいる物乞いの人々が、なぜかいない。一体どこに消えてしまったのかというと……!?

「街を綺麗に見せるために、インドの役人たちがホームレスの人々をトラックの荷台に乗せ、インド中央部に位置する丘陵地帯・デカン高原のど真ん中に捨ててくる」という無常極まりないストーリーです。

その6:◯◯◯に行くと日本人男性はモテる
日本人女性は世界どこに行ってもモテる印象がありますが、日本人男性の間でウワサされるのが「日本人男性が◯◯◯に行くとモテる」という、実にドリーミーな都市伝説です。「確かにモテた!」という証言者も存在するので、あながちウソとは言えないかも。

有名どころだと南米です。陽気で積極的な南米女性にとって、日本人男性が可愛く映るのだとか。ほかにはコロンビアやベネズエラなど、比較的治安の悪い地域。モテる理由は「あまりにも治安が悪く、現地の男性はすぐに死んでしまうから(男性が少ない)」からだといいます。

ほかにも「スウェーデン」や「ブルガリア」などの国でモテるらしい……といったウワサもありますが、真偽の程は定かではありません。俗にいう「ただしイケメンに限る」な気もします。

その7:SARSの真実
2002年から2003年にかけて世界的に流行した感染型新型肺炎SARS(サーズ)こと「重症急性呼吸器症候群」。発生したのは中国で、あっという間に世界数カ国へ広がり、感染者は世界8000人以上、774人もの死亡者を出しました。

後の調査で、SARSの原因は「新コロナウイルス」で、発生源はキクガシラコウモリということになりましたが、旅行者の間で語り継がれている都市伝説では以下のようなストーリーになっています。

「中国が密かに開発していた細菌兵器が事故によって漏れてしまい、研究者ならびに研究所付近の住民は全滅。さらに、あっという間に世界各国へ拡散し、中国は焦る。

“どうなってんだ!” と世界各国から発生源や調査状況を求められ、焦りに焦った中国政府はSARSの発生源をハクビシンと発表。“なわけねーだろ!” というバッシングをされながらも、ウルトラマッハで細菌兵器のワクチンを作り上げ、何事もなかったようにSARS終息宣言」

――といった感じです。

この都市伝説にリアリティを持たせているのが、「中国で悪さをして国に帰れなくなった、東南アジア某国に身を隠して生活している元・中国政府関係者から直に聞いた話らしい」という、やたら具体的な補足の説明。信じるか信じないかはあなた次第です。

(文=ハトポン、写真=mamiyak46

viewer-2