ケーキの定番といえば、いちごの乗った「ショートケーキ」を思い浮かべる人が多いはずです。しかし長崎市では、ケーキといえば別のものを連想する人が多いようですよ。
その名も「シースクリーム」。何だかシュークリームみたいな名前ですが、黄桃とパインの乗ったショートケーキなのです。長崎でも市周辺でのみ浸透しているものなのだとか。実際に食べてみてその美味しさにビックリしました。思わず笑いがこみ上げてくるほど美味~ッ!
シースクリーム(別名シースケーキ)は、今から約50年前の昭和30年代初頭に、洋菓子店「梅月堂」が販売を開始したそうです。長崎で初めての生クリームを使用したケーキとして誕生し、現在まで愛され続けています。
当時はブッセ生地にカスタードクリームをはさみ、ケーキのてっぺんにはミカンが置かれていたとのこと。いちごの入手が難しかったため、このような形になったそうです。
味の方は、もしかしたらショートケーキを上回るかも。シルクのような舌触りなめらかな生クリームと、ふんわりとしたスポンジ、そして果物のバランスが大変良いです。通常のショートケーキはいちごですが、黄桃・パインの酸味はいちごと比べて柔らかです。したがって、酸っぱすぎないために他の素材とうまく馴染むのです。
ちなみに梅月堂本店では、期間限定で販売開始当初のシースクリームを再現した、「オールドファッション」を販売していました。こちらはブッセ生地を使用しています。スポンジよりも軽やかな食感で、現代版とは異なる味を楽しむことができました。
なおシースクリームの名前の由来ですが、本来は豆の「さや」(pod)と名付けるところを、刀の「さや」(sheath)と間違えたことが原因らしいのです……。とにかくおいしいシースクリーム、長崎市を訪れた際はぜひ、お試しあれ!
■訪問店舗 梅月堂本店
住所: 長崎県長崎市浜町7-3 1F
営業時間: 10:00~20:00
定休日: なし
(文、写真 = 佐藤英典)
▼ こちらがシースクリーム
▼ 黄桃・パインの色が鮮やか
▼ 柔らかな果実の酸味が、なめらかな生クリームとよく合います
▼ こちらは期間限定の「オールドファッション」
▼ 販売開始当初の味を再現
▼ 長崎独自のスイーツは、50年の歴史を持っています
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