
[公開直前☆最新シネマ批評]
映画ライター斎藤香が皆さんよりもひと足先に拝見した最新映画の中からおススメ作品をひとつ厳選してご紹介します。
今回ピックアップする映画はマット・デイモン主演映画『エリジウム』です。ジェイソン・ボーンシリーズで、すっかりアクションスターのイメージがついたマット・デイモンが、本作でも壮絶なアクションを見せてくれます。監督は世界中の映画ファンの度肝を抜いた『第9地区』のニール・ブロムカンプ。練り上げられたストーリー、スリリングな展開に加え、主人公の行動のベースとなるのは愛と生なので、アクション映画に苦手意識のある女子も必見です。
(あらすじ)
2154年、富裕層は、宙に浮かぶスペースコロニー「エリジウム」で何不自由のない生活を送り、貧困層は荒廃した地球で過酷な労働を強いられていました。エリジウムには不治の病を完治できる医療ポッドがあり、そこは死の恐怖のない世界。防衛長官(ジョディ・フォスター)は、地球からの密入国者を排除し、完璧なエリジウムを維持しようとしています。
しかし、地球に住むマックス(マット・デイモン)は、工場での過酷な労働の最中に事故で照射線をあびて、余命5日と告げられてしまいます。「エリジウムに行けば助かる」と、闇商人と取引をしたマックス。それは、エリジウムへの切符を準備してもらうかわりに、とある任務を遂行すること。マックスは肉体にマシーンのようなスーツを装着され、エリジウムへと向かいます。一方、マックスの幼馴染の看護師(アリス・ブラガ)は白血病の娘を抱え、彼女もエリジウムの医療ポッドを求めていました。しかし、防衛長官の雇うエージェントがことごとく妨害。そんな中、マックスの命のカウントダウンが始まり……。
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別の惑星や宇宙コロニーに地球人が移り住むという設定は、特に珍しくはないのですが、この映画は、その設定を活かす物語や仕掛けが実に巧妙。細部にわたるまで練られており、一瞬たりとも目が離せないのです。マックスが照射されてしまうシーンは恐怖のあまり思わず目を覆ったし、余命を告げられてからエリジウムへ向かうまで、彼の肉体と人生が大きく変化していく様には「どうなっちゃうの?」と不安でいっぱいに。
加えて極悪エージェントにマックスの幼馴染の看護師と娘が捕まってしまい、マックスは自分だけでなく、彼女とその娘の命も守ろうとするのです。肉体は限界寸前なのに、背負うものが多すぎて、見ている方も体中に力入りまくりですよ。ハラハラしすぎて「もうイッパイイッパイなんですけど~」と、こっちも限界ギリギリな気持ちに。
低予算の『第9地区』よりビッグバジェット映画を演出することになったブロムカンプ監督。出演スターはビッグになったけれど、オリジナリティあふれる世界観は『第9地区』のまま、自分の世界を貫くために妥協しないという強いポリシーが感じられます。
そのブロムカンプ監督との仕事を熱望していたのは、主演のマット・デイモン。「『第9地区』を見て大興奮し、絶対に一緒に仕事したい監督のひとりになったんだ」と語っています。「監督が描くマックスはルックスの細部まで明確だった。僕は監督から上半身裸の男性の写真を渡され、その写真をトレーナーに渡し、こういう体にしてほしいと頼んでトレーニングするだけだったよ」と。映画でマットが身に着け、サイボーグのようなボディになるエクソスーツ(強化外骨格)は、スタッフに「ハルクスーツ」と呼ばれていたそうです。ナルホド! ゴツくて頑強なボディになりますからね。
キャストだけでなく、特殊効果や衣装スタッフも有名どころが勢ぞろいしている本作。スペースコロニーのデザインの一部は『ブレードランナー』のシド・ミード、ジョディ・フォスターの衣装はアルマーニ、エリジウムの医療ポッドのデザインはヴェルサーチ……ヴィジュアルにもぬかりなしです!
ちなみにブロムカンプ監督は、日本のアニメが大好きで、映画には日本カルチャーの影響も見られます。極悪エージェントの武器が日本刀と手裏剣というのがその最たるもの。切れ味鋭い日本刀は武器として脅威であると改めて感じましたね。ただ日本のチャンバラのような殺陣の美しさはなく、グサっグサっという雑な感じがアメリカ映画っぽいというか。日本のカルチャーのハリウッド進出は留まるところを知りません。
結果的に格差社会をくつがえすような活躍を見せるマックスですが、彼が求めていたのは富ではなく、愛と生。究極の選択を迫られるラストは思わず涙……ですよ。
(映画ライター=斎藤 香)
『エリジウム』
2013年9月20日公開
監督: ニール・ブロムカンプ
出演: マット・デイモン、ジョディ・フォスター、シャールト・コプリー、アリス・ブラガ、ディエゴ・ルナ、ワグネル・モウラ、ウィリアム・フィクトナー、ファラン・タヒールほか



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