
[公開直前☆最新シネマ批評]
映画ライター斎藤香が皆さんよりもひと足先に拝見した最新映画の中からオススメ作品をひとつ厳選してご紹介します。
今回ピックアップするのは永作博美主演の感動作『四十九日のレシピ』(11月9日公開)。亡くなった母親が残した「四十九日のレシピ」を通して人生を見つめ直す父娘の姿を描いた感動作です。この映画を演出したタナダユキ監督にお会いするチャンスを得まして、インタビューしてきましたよ。
夫との離婚を決意して家を出た百合子(永作博美)は父の良平(石橋蓮司)が一人で住む熱田家の実家に帰ります。妻が突然亡くなり、日々、ぼんやり暮らしていた良平ですが、ある日、見知らぬ若い女性イモ(二階堂ふみ)が押しかけてきます。彼女は亡くなった百合子の母が面倒を見ていた女性で「四十九日の大宴会をするために来た」と言います。とまどう百合子と良平ですが、あとからやってきた日系ブラジル人のハル(岡田将生)とイモとともに、百合子と良平は「四十九日の大宴会」に向かって動き出しますが……。
タナダ監督がこの原作を映画化するにあたって大切にしたことは、
「この映画は家族の物語ですが、辛いときに助けてくれるのは必ずしも家族じゃなくてもいいということ。その考えがあったから映画化できたのだと思います」
「長い人生のうち、一瞬しか関わらなかった人だけれど、お互いに影響を与え合うという映画にしたいと思いました。すれ違った人の何気ない一言に気持ちが楽になる……ということを経験したことがある人もいると思います、この映画で描いていることはそれに近い感じがします」とのこと。
確かにイモとハルは、百合子や良平と一生の友になるわけではありません。でも、妻を亡くして孤独に落ちていた良平、結婚生活がうまくいかずに傷ついた百合子は、イモとハルが率先して準備してくれる「四十九日の大宴会」をきっかけに、生きることに前向きになっていきます。
「あのまま父と娘だけでいたら、ずっとジトーっとしたまま、二人暮らししていたと思いますよ(笑)」とタナダ監督。確かに!
原作でイモとハルは「生まれかわりかもしれない」というファンタジーのような存在でしたが、映画では、百合子の母が世話していた人物として登場。それがとても効果的で、百合子や良平が他者との関わりで変化するという、この映画の重要なポイントをよりリアルに伝えているのではないかと思います。
タナダ監督は、2001年に『モル』で監督デビューして以来、テレビドラマの演出も手掛けるなど、幅広く活躍していますが、監督にはときどき「窮屈だな」と感じることがあります。それは「女性監督」という括りで語られることです。
「女性なので否定はしませんが、男性は個人名で語られるのに、なぜ女性だけ ”女性監督“ と括られるのかなと(笑)。不思議なんです。みなさん女性監督になろうとしているのではなく、普通に映画監督になろうと思ってこの世界に入ってきていると思うので」
女性監督ならではの捉え方があるのでは?と思ったりしがちだけど、本当はそんなものはなく、その監督の視点でしかないんですよね。この映画でも
「人を救うのは血のつながった家族だけじゃない」
というタナダ監督の視点がしっかりあるからこそ、周囲の人々の力を借りて、父娘が明るく愛情深くなっていく姿に心温かくなるのでしょう。
映画だけでなく、脚本、テレビドラマ、小説と表現の場を広げているタナダ監督ですが、
「私は、映画のおかげでほかのお仕事もできているので、私にとって映画はホームグラウンドみたいなものかもしれません」
と、映画へのこだわりも強い。
「揺れ動く人の気持ちを撮っていきたい。人間が一番矛盾していて不思議な生き物だと思うので、それを突き詰めていきたいと思います」
タナダ監督のファンの人にはもちろん、タナダ作品は初めてという人にもオススメの映画『四十九日のレシピ』。しんどいと思ったら、一人で何とかしようとしないで、誰かに助けを求めてもいいんです! 見終わったあと、心が楽になれる映画ですよ。
(映画ライター= 斎藤 香)
『四十九日のレシピ』
2013年11月9日公開
監督: タナダユキ
出演: 永作博美、石橋蓮司、岡田将生、二階堂ふみ、原田泰造、淡路恵子ほか
(c)2013 映画「四十九日のレシピ」製作委員会
※衣装:TOGA PULLA(トーガ プルラ/TOGA 原宿店 03-6419-8136)




映画『さいはてにて』の台湾人女性監督が語る、日本と台湾の女性の共通点【最新シネマ批評】
親に会いたくなる映画『百花』/ 原田美枝子の演技に圧倒され、静かな芝居で魅了する菅田将暉に泣かされます
【ネタバレあり】話題作『去年の冬、きみと別れ』は巧妙な嘘がかくされた映画 / 少しだけヒントをご紹介します
映画『グランドフィナーレ』の人生賛歌に胸アツ…その美しさに涙でる~! 神が降臨した大傑作です【最新シネマ批評】
チェコのキュートなパペット映画『クーキー』のダンディな監督&主演の美少年に直撃インタビュー!【最新シネマ批評】
【保存版】チェーン店の早起きして良かったと思える「モーニング」7選まとめ✨スタバにモスバーガー、資さんうどんまであるんです!
「なんとかなれーッ!」 1000分の1の確率に賭けた、ちいかわホームパイ開封&やっと出会えたむちゃうまヨーグルト味をレビュー!
【夜の4コマ部屋 プレイバック】ただカワイイを摂取したときに読む話 / サチコと神ねこ様 / wako先生
麻辣湯にどハマりして体重が増えちゃった→麻辣湯を食べながらプチファスティングができる商品がありました
西友にチキンビリヤニが売ってる!? バスマティライス使用&ライタ付きで本格的なのにこのお値段って…買うに決まってるじゃん!
【夜の4コマ部屋】おっ / サチコと神ねこ様 第2614回 / wako先生
全国100店以上数百万冊が集まる “古本イベント” が神保町で開幕📚4日間限定「全ニッポン古本博覧会」で体験できること
【夜の4コマ部屋 プレイバック】尾崎不足のときに読みたい話 / サチコと神ねこ様 / wako先生
ママとパパと同じがいい〜!が叶う✨帝国ホテル『はらぺこあおむし』のアフタヌーンティーは大人と子どもが一緒に楽しめます
【夜の4コマ部屋】できる? / サチコと神ねこ様 第2613回 / wako先生
サクッと銭湯いきたい!そんなときは全国の日帰り温泉・銭湯マップが直感的に探せる「ゆる~と」がおすすめ
ネモフィラに牡丹、芝桜♡今しか見られない「全国の春の花を楽しめる絶景スポット5選」を徹底ガイド
老舗「一保堂茶舖」を堪能できるアフタヌーンティーが丸ノ内ホテルでスタート!抹茶、ほうじ茶、煎茶それぞれの個性を堪能してきました♡
【夜の4コマ部屋】春よ〜 / サチコと神ねこ様 第2611回 / wako先生
カルディのトロピカルで濃いめのお星さまがたっぷり♡カルディ「ピエログルマン ミニスターグミ」にときめいちゃう【#グミ偏愛レポ】
お茶を作って冷蔵庫に常備している皆さん!HARIO 「むぎちゃん」をお迎えすれば小さなストレスを解消してくれるぞ!
日本に4店舗しかないフランス紅茶専門店の「ロイヤルミルクティーソフト」を全力でおすすめしたい🍦あなたも芳醇な味わいのトリコに…♡
サーティワンのよくばりフェスの楽しみ方🍨10ポップを注文する前に “あるもの” を用意しておくと幸福感がUPするぞ…♡
全国に2店舗しかないフィナンシェ専門店「BEAN to FINANCIER」が手土産にぴったりすぎる!【#舞台女優の手土産リスト】
あじさいシーズン到来💙週末にふらっと遊びにいきたい「絶景あじさいスポット」10選
新参者シリーズでいちばん泣ける最終作『祈りの幕が下りる時』は報われない親と子の愛情に号泣するミステリー【最新シネマ批評】
話題作『DESTINY 鎌倉ものがたり』は実写版ジブリのような世界 / 奇想天外な物語を支える役者と監督の演出にも注目です【最新シネマ批評】
家族を捨てた父と許せない娘の葛藤を描く映画『センチメンタル・バリュー』エル・ファニングら4人が演技賞候補などアカデミー賞8部門ノミネートしてます
特急電車の中でゾンビに襲われて逃げられない感が苦しくなる! 大ピンチ映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』なぜか後半泣けちゃいます【最新シネマ批評】
【映画本音レビュー】齊藤工の監督作品『blank13』は演出も物語も魅力的! 少年のような高橋一生、隠れMCみたいな佐藤二朗など見所満載でした
現代と地続きのおとぎ話のような映画『ルート29』綾瀬はるかの新たな一面が見られる作品です
映画『遠い山なみの光』は広瀬すず、二階堂ふみ、吉田羊…登場する俳優全員が素晴らしい!特に目が離せなかったのは…
女装男に恋する平凡な主婦に賛否両論!? フランソワ・オゾン監督の最新作『彼は秘密の女ともだち』【最新シネマ批評】
メディアに出ないミュージシャンが映画初主演! 映画『トイレのピエタ』の主役を演じる人気ロッカー・野田洋次郎の演じない凄さ【最新シネマ批評】
岡崎京子原作の映画『リバーズ・エッジ』キラキラできない青春の裏側を二階堂ふみと吉沢亮の演技が輝かせる【最新シネマ批評】
日本映画が強かった…!映画ライターが選ぶ2024年に映画のベスト5を発表 / 1位は綾野剛のアノ作品でした
法廷ドラマ『ジャッジ 裁かれる判事』の頑固な父と息子の濃い~確執は、意外と女子必見!【最新シネマ批評】
コメントをどうぞ