バレンタインが近づいてきて、どんなチョコレートをバレンタインに贈ろうか考えている皆さん! 今年は板チョコを贈ってみませんか?
バレンタインには、中に詰め物をした一口サイズのボンボン・ショコラを贈る人が多いので、板チョコには色気がないと思う人もいるかも。でも、それは板チョコの楽しみ方を知らないだけ! 板チョコは、ワインやコーヒーのように風味や香りの違いを味わって楽しむものなんです。
赤ワイン片手に、「このチョコレートは果実の風味がする」「こっちは花の香り」などと利き酒ならぬ「利きチョコ」をしてみたら楽しそう。どんなチョコレートが利きチョコにふさわしく香り高いのかを知るために、専門家の話を聞いてきました。
向かったのは「チョコレートアライアンス」が手がけるイベント。ショコラコーディネーターの市川歩美さんによるチョコレートのレビューを聞いてきましたよ! さっそく紹介します!
■スローウォーターカフェの「チョコレートバー(ソルト)」¥368
スローウォーターカフェのチョコレートは、エクアドルのサリバ種という、カカオの原種に近い品種で作られたチョコレート。多くのカカオ豆が大規模農園で作られているのに対して、森林農法という森を切り開かず森の中で育てる製法でカカオ豆を作っています。砂糖もオーガニックで作られたものを使用。ベースはビターチョコレートです。
カカオの香りが際立っていて、カカオ豆がまだ果実だったころの香りが感じられます。野バラやキンモクセイのような香りが漂い、口に入れるとライチのよう。塩が入っているので味に手応えがあります。きれいな味わいのチョコレートです。
■スローウォーターカフェの「チョコレートバー(ニブ)」¥368
こちらもソルトと同じくサリバ種、森林農法で作られたチョコレート。砂糖もオーガニックで作られています。ニブ(カカオニブ)とは、カカオ豆を焙煎して不要な部分を取り去り、荒く砕いたものです。ベースはミルクチョコレート。
ソルトと同じカカオ豆を使っているので、カカオの香りがすばらしいのは同じ。こちらはニブが浮かび上がってくるような感覚で、ミルクチョコレートなのにミルクが主張しすぎない、素朴な味わいです。
■リタトレーディングの「ミトラチョコ(ミルク)」¥315
ペルー産のオーガニックのカカオ豆などを原材料にしたチョコレート。農薬や化学肥料はもちろん、添加物などにも配慮して、丹念に時間をかけて作られたチョコレートです。
カカオの個性がユニークなチョコレート。樹木のような香りが立ちのぼり、カカオ成分の多さが感じられます。ちゃんと本物のミルクの味が出ていて、ミルクチョコ好きの人をうならせます。
■ピープル・ツリーの「フェアトレード・チョコレート・レーズン&カシューナッツ」¥315
ボリビアの小規模農家が作ったフェアトレードのカカオ豆を使用したチョコレート。材料がシンプルで乳化剤を使わず、カカオマス、ココアバター、砂糖を丁寧に練りあげているため、原料の純粋なおいしさを楽しめます。
レーズン&カシューナッツは、風味が非常によく、噛み締めるほどにレーズンとカシューナッツの香りが口に広がるのが特徴。すばらしい食感のバランスと、カカオの純粋なおいしさのバランスが絶妙です。
■オルター・トレード・ジャパンの「「チョコラ デ パプア オーレ」」¥168
インドネシア領パプア州のカカオ豆(カカオマス)にミルクを加え、マイルドにした、オーレタイプのチョコレート。
カカオ豆は炒って皮などを除いてすりつぶしチョコレートにしますが、焙煎されたカカオの香ばしさがよくわかり、セミスイートながらビターな味わいで楽しめます。酸味や苦みが尖っていない、食べやすいチョコレートです。
実は、チョコレートの原料カカオは、コットン、コーヒーに並ぶ、不公平な取引をされていることが多い作物の一つ。10歳の子供が30キロのカカオを運ぶことがあるなど、児童労働の温床の一つになっているのがカカオ栽培の実態なのです。
この不公平な取引を解消して顔の見える関係を作ってカカオを取引し、おいしくてオーガニックなチョコレートを推奨しているのがチョコレートアライアンスの取り組み。しかも、ピープル・ツリーはパッケージを集めて送付することで現地に苗木を贈る取り組みをしたり、オルター・トレード・ジャパンはカカオクッキーを福島県いわき市にある福祉施設で作ってもらい、売り上げの一部を福島の自然エネルギー普及に向けた取り組みに使ったり、と愛のある活動をしています。つまり、今回紹介したチョコレートは、食べる人も作る人もハッピーになる、愛にあふれたチョコレートなのです。
せっかくのバレンタイン。誰かに愛を贈るなら、関わる人全てが幸せになるチョコレートを選びませんか?
【紹介したチョコが全部買えます!】
『もうひとつのチョコレート展2014』@国分寺カフェスロー
日時:2014年2月4日~2月14日
※2月11日(祝)はイベントのため15時まで
場所:カフェスロー(東京都国分寺市東元町2-20-10)
HP: http://www.cafeslow.com/
【チョコレート情報】
スローウォーターカフェのチョコレート、リタトレーディングのチョコレート、ピープル・ツリーのチョコレート、オルター・トレード・ジャパンのチョコレート
取材協力、写真提供:チョコレートアライアンス、ショコラコーディネーター 市川歩美さん
取材・執筆=FelixSayaka (c)Pouch
コメントをどうぞ