
[公開直前☆最新シネマ批評]
映画ライター斎藤香が皆さんよりもひと足先に拝見した最新映画の中からおススメ作品をひとつ厳選してご紹介します。
今回ピックアップするのは、スコットランドが舞台の大ヒットミュージカルの映画化『サンシャイン/歌声が響く街』(8月1日公開)です。
『アナと雪の女王』効果でミュージカル映画が見直されている今、ぜひ見てほしい。でもこの映画は『アナ雪』と違って、より現実的です。ミュージカルって一種ファンタジーみたいなところがあり、現実からかけ離れている物が多いけど、この映画は現実的で夢、将来、恋愛、結婚、夫婦の物語が要になっているので共感度が高い作品なのです。
【物語】
結婚25周年を迎える仲睦ましい夫婦、ロブ(ピーター・ミュラン)とジーン(ジェーン・ホロックス)のもとに、息子のデイヴィー(ジョージ・マッケイ)が兵役を終えて帰国することに。そのデイヴィーの友人のアリー(ケヴィン・ガスリー)は、ロブの娘リズ(フレイア・メイヴァー)の彼氏。幸福がロブの一家を包んでいます。ところがロブの元に届いた一通の手紙が幸福なファミリーに影を落とします。と同時に自分の人生をイギリスの小さな街で終えたくないリズは将来について真剣に考え始めますが……。
【共感するか否か、若きリズの選択】
『サンシャイン/歌声が響く街』は全編に80年代のヒット曲が散りばめられています。もちろんミュージカルだから出演者みんなが歌い踊り、ハイな気持ちを共有したり、切ない気持ちに共感したりと、歌が共演者のように存在しているのが素敵です。しかし、アップテンポの曲でハッピーに始まった物語は少しずつ家族、恋人同士のすれ違いにヤキモキさせられます。中でもアメリカに憧れるリズが、恋人アリーとの将来にどう決断を下すのか……という問題は興味深いです。
これって地方から上京してきた人など思い切り感情移入できるかも。とても愛情深くてやさしい恋人と地元で暮らす将来を選ぶか、それとも夢見た都会で挑戦する道を選ぶか……。リズはまさに人生の岐路に立っているなあとしみじみ。どんなにラブラブでも相手の愛情を過信しちゃいけませんね。男が見ると「イタタ」となるエピソードかもしれません。
【英国の名優が高らかに歌う貴重映像】
2005年に脚本家のスティーブン・グリーンホーンがスコットランドを舞台にしたミュージカルを作りたいと着手したことから始まった『サンシャイン/歌声が響く街』。この舞台が大ヒットして、映画化が決定したわけです。監督は俳優でもあるデクスター・フレッチャーで、ミュージカル映画にも出演経験がありますが、彼はドラマ作りに重点を置いていたのではないかと。その証拠にミュージカル俳優ばかりをキャスティングしていません。なんたってお父さんのロブを演じるのは英国の英雄ピーター・ミュランですからね。彼はミュージカル出演についてこう語っています。
「最初は自分でいいのかと不安だったよ。でもプロデューサーが肝心なのは『Oh Jean』1曲だからというので、何とかなるかなと。実際とても楽しく歌えたよ」
いつもはドラマティックな映画でいぶし銀の魅力を炸裂させているミュランが歌うなんて、ビックリです。またミュランが演じるロブと妻ジーンの夫婦関係のエピソードも胸にグっときます。二人の関係がギクシャクしたときの妻のセリフがいいんですよ。「なぜ私と一緒にいるの? 習慣だから?」
これは長年連れ添った夫婦でないと出てこないセリフ。妻は「愛」って言ってほしいのですよ。でも夫もなぜわかってくれないんだという顔をしていて……そこか切なくてジンジンしちゃいますよ。
【プロクレイマーズも大満足!】
ミュージカルというと歌と踊りのシーンで「来る来る、しっかり見なくちゃ」と身構えてしまいますが、この映画はドラマの要素が強いミュージカルなので、歌のシーンは逆にフっと軽くなる感じがいいです。
ちなみに楽曲を提供したプロクレイマーズは、この映画を見て
「僕らの手を離れて、この映画にパワーと命が宿ったよ」
と喜んでいたとか。プロクレイマーズの代表曲「I’m Gonna Be(500Miles)」は最後に使われますが、これも効果的。最後の最後にミュージカル映画らしい壮大さが加わって、ハッピーな気持ちにさせてくれます。
夫婦の関係、恋人との将来、人生では必ず通り過ぎるであろう困難な道。でも必ずや道は開かれる!と信じさせてくれる『サンシャイン/歌声が響く街』。恋人と見て、リズとアリーのカップルについて話し合うのもありだと思いますよ。
執筆=斎藤 香 (c)Pouch
『サンシャイン/歌声が響く街』
2014年8月1日よりBunkamuraル・シネマほか公開
監督:デクスター・フレッチャー
出演:ピーター・ミュラン、ジェーン・ホロックス、ジョージ・マッケイ、アントニア・トーマス、フレイア・メイヴァー、ケヴィン・ガスリー、ジェイソン・フレミングほか
(C)DNA Films





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