バナナの皮を針状の尖ったもので傷つけることで、その部分が黒くなる性質を利用した「バナナアート」。バナナの皮の上を、まるでタトゥーをするようになぞっていくだけで、意外とカンタンにいろんな絵が描けるんです。先日TV番組でも取り上げられたようで、ネット検索で「バナナアート」を調べると力作がゴロゴロ。みんな気軽にバナナアートを楽しんでいるみたい。
そして今回ご紹介するのは、バナナアート界ではトップクラスの話題と人気を誇る、オランダ・ロッテルダムのアーティストStephan Bruscheさん。
その作品は、表面に絵を描くだけに留まらず、バナナが元々持っている自然な形を生かしているところが素晴らしく、どれを見ても「お見事!」としか言いようがない完成度。バナナ一本で、こんなに細かい造形物ができるなんて!
【クリムト、ビートルズ、ミケランジェロ……使ってるのはバナナだけ!】
「boredpanda」のインタビューによれば、Stephan Bruscheさんがインスタグラムに投稿するモチーフを探していた際、ほんの試しにと、バナナに絵を描いてみたところ、思いがけない楽しさに目覚めてしまったのだそう。
それ以来、バナナをモチーフにしたアート作品を投稿、やがてバナナの形そのものを使い、皮や実を彫るようになったのだそうです。
本業がアーティストというだけに、精密な絵と、皮と実のバランスなど、すべてが計算尽くされた美しさ。チョイスする絵柄や、デザインセンスは、さすがプロという感じです。写真の構図も素晴らしい!
夏目漱石の『夢十夜』という短編集に、運慶が仁王像を彫っている物語があるのですが、「運慶は、木の中に埋まっている仁王を掘り出しているだけだ」という男が出てきます。この作家も、そういう人なのかも? バナナの中にモチーフが埋まっていることをイメージできる発想力がスゴイですよね。完成度の高さに、記者(私)は本当に感心しましたよ。
Stephan Bruscheさんのインスタグラムでは、バナナアートのほかにも、イラストレーションなど様々な作品がアップされています。今後の新作もいち早くチェックできるかも。ぜひご覧になってみてくださいね!
参照元:Instagram、boredpanda
執筆=はちやまみどり ©Pouch
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