不良じーさんと少年の号泣映画『ヴィンセントが教えてくれたこと』の美少年ジェイデン・リーベラーくんに直撃インタビュー！【最新シネマ批評】

[公開直前☆最新シネマ批評・インタビュー編]
映画ライター斎藤香が皆さんよりもひと足先に拝見した最新映画のなかからおススメ作品の主演俳優を直撃インタビューします。

今回インタビューするのは、ビル・マーレイ主演『ヴィンセントが教えてくれたこと』（2015年9月4日公開）に出演しているジェイデン・リーベラーくんです。

主演のビル・マーレイは、今作品のヴィンセント役で2015年ゴールデン・グローブ賞主演男優賞にノミネート。そのビル・マーレイと共演しながら、決して負けない名演を見せ、大いに笑って泣かせてくれるジェイデンくんに、今作品の撮影中の出来事やジェイデンくん自身のことを聞いてきました。

もうね、俳優になるべくしてなったとしか思えない恐るべき12歳ですよ！

【物語】

ヴィンセント（ビル・マーレイ）は酒とギャンブル好きの不良老人。そんな彼の家の隣にシングルマザーの母（メリッサ・マッカーシー）と息子のオリバー（ジェイデン・リーベラー）が引っ越してきます。

仕事が忙しい母は、オリバーが学校から帰る時間までに仕事を終えることができないため、隣家のヴィンセントにオリバーを任せることに。イヤイヤながらもギャラが入るので引き受けたヴィンセント。オリバーも不機嫌なじーさん相手にどうしていいのかわからない。

しかし、一緒にいるうちにわかりあえるようになった二人。お互いにいい刺激を与え合うようになり、オリバーはヴィンセントの意外な素顔を知ることになるのです。

【僕は人生の一時期、オリバーとして生きたんだ】

ジェイデン・リーベラーくんは初来日。映画では色白の美少年ぶりが際立っていましたが、目の前にいる彼は、映画で見るより細くて小柄。顔なんて手のひらサイズの小ささですよ！

優等生な雰囲気はオリバーそのものでしたが、この役を得るまでは大変だったそうです。

「オーディションが長かったんですよ。4回くらいオーディションを受けました。最後はNYでメルフィ監督と会って、その後、LAの自宅に帰ったら、オリバー役に決まったという電話を受けました。すっごくうれしくて興奮しました！」

撮影は2年前ですが、オリバー役について聞いてみると

「2年たっても僕がオリバーに対して感じる気持ちに変わりありません。彼のいいところは、人の良さを見出すことができるということ。僕自身と似ているところも違うところもあるけど、僕は誰よりも彼の気持ちがわかっていると思います。だって演じることは役の立場に自分がなるということだから。今はオリバーを演じていないから僕だけど、かつて確実にオリバーだった時期が僕にはあるのです」

すごいな、12歳でもうこんなにしっかり役のことや演じることを語れるなんて。

『ヴィンセントが教えてくれたこと』の演技で、各方面から大絶賛されたジェイデンくん。素晴らしい演技の源を聞いてみると

「役になろうとするのではなく、演じる人物になる！　これはメルフィ監督から教わりました」

多くの役者はそれができないから悩むんだろうけど、彼はすでに小さな名優。だからできちゃうんですね！

【ビル・マーレイはヴィンセントみたいな人？】

『ヴィンセントが教えてくれたこと』で名優ビル・マーレイと共演したジェイデンくん。かなり緊張したようです。

「すっごく緊張しました。初めて会ったとき、僕が “こんにちは” と挨拶したら、何も言わずにどっか歩いて行っちゃったんです（笑）。初対面はそんな感じだったのですが、だんだんいい人だってわかってきたというか。ヴィンセントっぽいですね。いい人でおもしろいけど、行動が予測つかないんです。意識すると緊張しちゃうから “ビル” って呼んで普通に接するようにしていました」

映画のハイライトでもあるスピーチのシーンでは、ドキドキMAXだったジェイデンくん。その様子に気付いたビル・マーレイは彼に緊張を解く瞑想を教えてくれたんだそう。

「セリフが多かったので、ナーバスになっていたんですよ。そしたらビルが “こっちおいて” って言って、椅子の背を前にして手と頭を乗せて下を向いて “こうやって瞑想すると落ち着くよ” って教えてくれたんです。やってみたけど全然落ち着かなかった（笑）。だって隣でビル・マーレイが僕に瞑想の仕方を教えてくれているんですよ。無理ですよ（笑）」

映画では、観客の涙腺を決壊させる名シーン。ジェイデンくんは余裕ある名演でしたが、その裏ではこんなことがあったとは！

【目指すはレオナルド・ディカプリオ！】

映画好きの少年だったジェイデンくんが役者になったのは、周囲のススメがきっかけだそうです。

「フィラデルフィアに住んでいたときは、父とよく映画を見に行っていました。でもそのときはまさか自分が出ることになるなんて思ってもみなかったです。LAへ引っ越したら、周囲の人に “やってみれば” とススメられて、CMに出たりするようになったのです。演じることは楽しいし、こうやってプロモーションで東京みたいなクールなところに来られるのもウレシイ。役者の仕事はずっと続けていきたいです」

共演したい俳優や出演したい映画を聞いてみると

「共演したいのはレオナルド・ディカプリオとウィル・スミス。ふたりともいい俳優だからです。出たい映画はヒーロー映画！　楽しそうだな～と思って。目指す人もディカプリオです！　彼はとても役を選んでいるし、出演作でいつもすごいパフォーマンスを見せてくれる。僕もそんな俳優になりたいです」

レオナルド・ディカプリオも、ジェイデンくんと同じように、ティーンでデビューしてスターへの階段を駆け上がってきた俳優。彼も当時は華奢な美少年でしたし、そういえばなんか、ジェイデンくんとかぶるところも。

まだ学生でもあるので、オンラインスクールで勉強しながら役者の仕事を続けていると言うジェイデンくん。「数学は好きなんだけど、科学は苦手。仕事と勉強の両立は大変です」と言いながらも、俳優の仕事を続けていくことを決め、未来にキラキラと目を輝かせるジェイデンくんのなんと可愛いことか！　

ディカプリオを超える俳優になるかもしれないジェイデン・リーベラーくんの魅力、ぜひ『ヴィンセントが教えてくれたこと』で確かめてください！

取材・執筆＝斎藤香（C）Pouch

『ヴィンセントが教えてくれたこと』
2015年9月4日より、TOHOシネマズシャンテほか全国ロードショー
監督・脚本・製作：セオドア・メルフィ
出演：ビル・マーレイ、ジェイデン・リーベラー、メリッサ・マッカーシー、ナオミ・ワッツ、クリス・オダウド、テレンス・ハワードほか
(C)2014 St. V Films 2013 LLC. All Rights Reserved.

▼映画『ヴィンセントが教えてくれたこと』予告編