エーゲ海に浮かぶレスボス島。シリアからやってくる難民の多くは、この島に上陸した後にヨーロッパ各地へ向かいます。

ギリシアの経済危機やシリア難民の流入に直面したこの島では、近年、野良犬たちが増え続けているのだとか。

本日ご紹介するのは、このレスボス島で野良犬たちに優しい手を差し伸べているカフェ「Hott Spott」。厳しい状況を人と犬が一緒に乗り越える様子に、心が温まります。

【Facebookに投稿された1枚の写真】

エーゲ大学で社会学を研究する助教授のEfstratios Papanis(Eustratios P​​apanis)さんがFacebookに投稿した写真には、カフェのソファで気持ち良さそうに眠るワンコたちの姿が写し出されています。

【閉店後、野良犬たちに店を解放】

レスボス島の中心地ミティリーニにあるカフェ「Hott Spott」では、2015年7月から毎晩、閉店した後に経済危機の影響で行き場を失った犬たちに眠りの場を提供するため、店のドアを開放しているのだそう。

衛生、防犯、犬同士のトラブルなど数々の問題を乗り越えて、このプロジェクトが半年以上も継続されている背景には、経済的な危機や社会的な不安定さに直面していてもなお変わることのないギリシアの人々の豊かな心があるのでしょう。

【寄せられたコメント「ただただ、素晴らしい」】

写真を投稿したEustratios P​​apanisさんのFacebookのページには、感銘を受けた世界中の人たちからメッセージが寄せられています。

「世の中、捨てたもんじゃないな。心が温まった」
「自分にも何かできることはないかな」
「ただただ、素晴らしい」
「以前レスボス島を訪れたとき、行き場の無い犬や猫たちがたくさんいたわ。状況を改善してくれて本当にありがとう」

「何か手伝えることはありませんか」とのコメントに対し、「この状況をみんなに伝えてくれるだけでいい」と返答するEustratios P​​apanisさん。

この状況をより多くの人に知ってもらうこと。事態を改善するには、まずはここからスタートしなければならないようです。

参照元=Facebook / Eustratios P​​apanis
執筆=南野バンビ(c)Pouch