平昌オリンピックの正式種目になっていたフリースタイルスキー。さまざまな競技に分かれていて、雪上のモーグル(こぶ)地形でアクロバティックな技を競う「モーグル」や、ジャンプ板から飛び上がり、空中回転などの技を競う「エアリアル」、4人が1組になり、様々な技を使うコースで順位を競い合う「スキークロス」。
そして半円筒形のスロープを下りながら、ジャンプや回転などの空中演技を競いあう「ハーフパイプ」、障害物やジャンプ台が設置されたコースを滑る「スロープスタイル」の5種類があります。
ところで……実はフリースタイルスキーの中には、幻の競技といわれている種目があるのをご存知でしょうか? それは、「アクロ」という名の雪上バレエ!
【雪上のバレエ「アクロ」って知ってる?】
「アクロ」はスキー板を装着し、手にはポールを持ちながら、まるでバレエを踊るようにスピンをきかせてクルクルと舞い、回転やジャンプも行うというスポーツです。
海外サイト「Mashable」によると、「アクロ」は以前「スキーバレエ」と呼ばれ、プロの選手がいたほど親しまれていたそう。
1988年のカルガリーオリンピックで「デモンストレーションスポーツ」としてフィーチャーされ、そして1992年のアルベールビルオリンピックでは「バレエ男・女」の公開種目が行われていたようです。
しかし、1998年の長野オリンピックでは行われず、以降の大会でも復活には至っておりません。
【特殊な道具&見た目よりもハード】
メジャー化に至らなかった理由はさまざま考えられますが、競技人口はどんどん減っていった模様。
通常のスキー板より短かったり、体重がかかるためポールの強度が必要だったりと、道具の特殊さゆえなのか。競技時間が2分間と、見た目の印象よりはるかにハードだからなのか。はたまた、オリンピックの競技種目に選ばれなかったからなのか。
唯一無二の魅力がある競技ゆえに、姿を消してしまったことにちょっぴり寂しさを感じてしまいます。
【YouTubeで観ることができるよ◎】
現在では、ほぼその姿を見ることはない「アクロ」。しかしYouTubeには、アクロがどんなスポーツなのかを捉えた動画がいくつか公開されているので、興味を持った方はぜひ色々と探してみてほしいんです。
「アクロ」の選手として当時名をはせたのは、アメリカのスージー・チャフィー(Suzy Chaffee)選手や、ノルウェーのルネ・クリスティアンセン(Rune Kristiansen)選手など。
また1984年には「アクロ」をフィーチャーしたスキー映画『ホットドッグ(Hot Dog)』も公開されているので、どうぞご参考に~!
参照元:平昌オリンピック、日本オリンピック委員会、Mashable、YouTube[1] [2] [3]
執筆=田端あんじ (c)Pouch
▼こんな競技があったとは…!
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