デンマークのボーンホルム島を拠点に活動するフォトグラファー、ニコライ・バイヤー(Nikolaj Beyer)さん。彼の作品の中に、あまりにも印象的なシリーズ写真がありました。

『Everyday shoes』と題されたシリーズにあったのは、草花や野菜、チョコレート、新聞紙や包装紙など、身の回りにあるもので作られた “靴” 。遠目に見ると本物の靴のように見えるほどグッドデザインで、ついひとつひとつに見入ってしまいます。

【ドレッシングをかけて食べたくなるブーツ!?】

たとえば野菜だけで構成した靴「デトックス・ブーツ」のフォルムは、ヒールのあるショートブーツ。

ヒール部分は今が旬のトウモロコシでできていて、アッパーにはレタス、足首より上の部分にはハーブ類が使用されているんです。サラダとして食べるとデトックスにもなる靴、ということでしょうか。

【わたしのお気に入りは「チョコ」&「フィルム」】

個人的に好きなのは、「チョコレート・スティレット」。足全体はとろ~り溶けたチョコレートでコーティングされていて、いまにも甘~い匂いが漂ってきそう。そしてスティレットヒールの部分にはスニッカーズ! そこにアートらしいひとさじの毒を感じるのは私だけ?

もうひとつ好きだったのは、カメラのフィルムを足に巻き付けた「35mmブーツ」。フィルムをたどるとヒール部分、カートリッジにつながっていて、あまりのスタイリッシュさにため息が出ちゃいました。

【履いてみたくなるデザインも】

そのほかどれも名作ぞろいで、「よくもまあこんなにたくさんデザインが思いつくな~!」と感心しきり。

「グラスに足を乗せただけ」という危うさがたまらなくセクシーな「グラスハイヒール」も、クリスマスプレゼントの包装紙をそのままグルグルと足全体に巻いた「ギフトブーツ・クリスマスエディション」も、作品としても面白いし、なにより美しすぎてどうしましょう!

メッセージ性もあり、アート作品群として優れているというのはもちろんだけど、単純に美しくて靴のデザインとして本当に採用してほしいと思えるデザインもちらほらあるので、靴好きにはたまらないシリーズだと思います。

不思議な “非日常感” を味わえる『Everyday shoes』の世界を、あなたものぞいてみてはいかがでしょうか。

参照元:Nikolaj BeyerInstagram @nikolajbeyer
執筆=田端あんじ (c)Pouch