現在ネットで議論を巻き起こしている、ラフォーレ原宿の “テプラ広告”

「テプラで作ったラベルを貼りまくる」という斬新なアイディアが注目を集めたものの、その後「あるアーティストの作品と酷似している」という声があがり、物議を醸しているんです。

2020年1月25日に関係各社が一斉に声明を出したので、何が起きたのか、時系列で追ってみます。

【そもそもどんな広告なの?】

1月23日から1月27日まで開催されている「ラフォーレグランバザール」のために作られたテプラ広告。

ラフォーレ原宿が広告会社・Wieden+Kennedy Tokyoに企画・制作を依頼して作られたもので、建物の外観や館内にずらーっと貼られたテプラのラベルが話題になりました。

【「あるアーティストの作品に似ている」と多くの人が指摘】

ところがしばらくして、このテプラ広告がアーティストの酒井いぶきさんの作品にそっくりだと指摘する声があがり始めます。

酒井さんの作品だと勘違いしたファンも多く、酒井さん本人もこの件についてツイッターで言及。1月24日ころから騒動に発展します。

【関係各社が声明文を発表】

真偽を確かめるため今回のプレスリリースを発表したキングジムに問い合わせたところ、「確認し連絡します」という返答のみいただきました。

そして翌1月25日、ラフォーレ原宿とテプラ広告を手がけたWieden+Kennedy Tokyoが一斉に声明を発表。以下、全文です。

<ラフォーレ原宿>
2020年1月23日(木)から開催しております「LAFORET GRAND BAZAR」の広告につきまして、特定のアーティスト様から、ご自身の作品に類似しているとのご指摘がありました。

この広告は、広告会社に企画・制作を依頼したもので、模倣の意図はないとの説明を受けておりますが、当社といたしましては、アーティスト様に直接お会いして、ご不快な思いをさせてしまったことについてお詫びを申し上げたところです。引き続き、誠実かつ適切に対応してまいります。

<Wieden+Kennedy Tokyo>
弊社が企画・制作いたしました、2020年1月23日(木)から開催しております「LAFORET GRAND BAZAR」の広告につきまして、世間の皆さまをお騒がせしておりますこと、心よりお詫び申し上げます。

今回のアイデアは、例えば注意書きだらけのコンビニのコーヒーマシンのように、誰にでも分かりそうなことを、やりすぎなほどに説明を貼ってしまうテプラ文化からヒントを得て作られました。

広告が完成して掲出した後、「テプラ」を用いたアート作品を作成されているアーティスト様から、ご自身の作品に類似しているとのご連絡をいただきました。

弊社はアーティスト様に直接お会いさせていただき、作品を再現もしくは模倣する意図は一切ないという点、および今回の企画意図をお伝えいたしました。今後も真摯に対応をさせていただきます。

この度は、皆さまをお騒がせしてしまっておりますこと、重ねてお詫び申し上げます。

【「模倣ではない」そうだけど…】

声明文にもあるとおり、両社はそれぞれ「模倣した意図はない」としていて、酒井さんとも話をしたようです。

以上が騒動の経緯なのですが、酒井さんは過去にラフォーレ原宿およびWieden+Kennedy Tokyoと仕事をしたことがあり、なぜ今回の広告を制作する前に酒井さんと話をしなかったのか疑問が残ります。

参照元:ラフォーレ原宿facebookプレスリリース
執筆:田端あんじ (c)Pouch
Photo:Rocketnews24