【最新公開シネマ批評】
映画ライター斎藤香が、NetflixやAmazon primeビデオなど動画配信の中から、おもしろ作品を厳選して、ネタバレありの本音レビューをします。

今回ピックアップするのはNetflixで大人気の料理対決ドキュメンタリー『アメリカンバーベキュー最強決戦!』です。

全米バーベキューチャンピオンの座を狙って、8人のBBQの達人が競い合います。

全8話で、毎回ビックリのお題が出され、挑戦者が悪戦苦闘しながら料理を仕上げていく工程が面白い! では、まず物語からご紹介しましょう!

【物語】

全米各地から、バーベキューチャンピオンの座を求めて集まったBBQ達人の8名。ほかのBBQ大会の優勝者もいれば、この番組が大会デビューという新人もいます。

彼らをジャッジするのはアメリカンBBQ界の有名人、ケヴィン・ブラッドソーとメリッサ・クックストン。

挑戦者は司会者が出してくるお題をもとに肉を焼き、サイドメニューも調理し、それぞれの味付けで個性を表現しつつ、料理を仕上げていきます。

1話ごとに優勝者と最下位が決まり、最下位になると番組を去らなければなりません。そして最後に残った1名がBBQチャンピオンになるのです!

【BBQの奥深い世界! こんなに繊細な料理だったとは!】

この番組を見て驚くのは、BBQの奥深さ!

お肉の種類や部位によって、肉の切り方、グリルの温度、焼き時間など全て違います。

そのため、メインを作りつつ副菜を作る緻密さがとてつもなく難しそう。少しでも間違えば、焦げたり、生焼きだったりと大失敗が待っているのです。おいしそうでありながら、ハラハラ感がこの番組の魅力のひとつです。

またそれぞれのBBQの味付けに家庭の味が入っているところも見所。出場者のバックストーリーも知りつつ、BBQはアメリカ人にとって家族料理だと知れます。

【クマやイグアナ肉でBBQというお題に挑戦者がとまどう!】

BBQテーマは番組を重ねていくことでどんどんハードに。さらに調理の途中で、追加のお題が突然出されるというパンチの効いた展開もアツい。

タイムアップ直前で、「この魚介類で、もう1品作って」や「自家製のパンも作って」などと言われて、挑戦者たちは大焦り!

「こんな素材扱ったことないんだけど~」とか言いながらも、彼らのBBQ知恵とフル回転させ、審査員を驚かせる料理を仕上げてきます。

また個人的にいちばんエグいと思った回は、野生動物の肉をBBQするテーマのとき。

イグアナ、トカゲ、シカ、アライグマなど、挑戦者も全員が顔しかめるほど。しかも、調理の仕方を間違えると、とんでもない匂いが発生するので、失敗したらもう大変! どうやっておいしく仕上げていったのか、ぜひ観ていただきたい!

【挑戦者たちの人間ドラマと友情に胸アツ!】

8人の挑戦者たちは、みんな個性豊かで回を追うごとに友情が生まれるのも魅力的。

そんな部分を垣間見れるのがBBQ調理中に、ある挑戦者が大失敗した時。その選手は「もうリタイアする。もう勝てないし、無理だよ」と試合放棄。すると他の選手は手を止めて、彼の焦がした料理を味見したり、慰めたり、アドバイスをするのです。

ハラハラ感もあり、感動もありの『アメリカンバーベキュー最強決戦!』は全8話。

試聴するときは、ぜひお肉を用意して食べながら試聴してくださいね。

執筆:斎藤 香 (c)Pouch

アメリカンバーベキュー最強決戦!』(シーズン1)Netflix配信中
画像:Netflix © 2020