大人もワクワクしちゃう、ちょっぴり奇妙なお話。ストーリーの中に “なんだか不思議”がひそんでいるだけで、興味をそそられてしまいますよね。
今回ご紹介するのは、映画『チャーリーとチョコレート工場』の原作である『チョコレート工場の秘密』を書いたイギリスの作家、ロアルド・ダールさんの人気小説をもとにした4つの魅惑的な物語です。
ブラックユーモアにあふれたロアルド作品×オシャレでポップな映像の魔術師ことウェス・アンダーソン監督がタッグを組んだ、唯一無二の物語世界へ。
毎週金曜は各配信サイトで観られるオススメ作品を紹介する日。
今週もよく頑張った……週末はおうちでゴロゴロしながら、Netflix映画『奇才ヘンリー・シュガーの物語 他3編』を観て、カウチポテトになっちゃお〜!
【どんな作品?】
本作は、脚本家兼監督のウェス・アンダーソンさんが、ロアルド・ダールさんの人気小説をもとに描き出した短編映画アンソロジーです。
1作目は、第96回アカデミー賞で短編実写映画賞に輝いた『ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語』。ベネディクト・カンバーバッチさん演じる41歳のヘンリー・シュガーは、「目を使わずに物が見える老人の話」を聞いたことで、自分もその技を習得しようと試みます。
根気強く挑んだ結果、ついに目を使わずに物が見えるようになったヘンリーは、その技を活用してカジノで大儲けしようとするのですが……?
続く2作目は『白鳥』、3作目は『ねずみ捕りの男』、4作目は『毒』で、俳優たちが入れ替わりながら登場人物を演じていきます。個性豊かな全4話を1時間28分にまとめているほか、それぞれ単独でも鑑賞することができますよ〜!
【ココが見どころ!】
<その1:絵本を見ているかのような満足感>
ストーリーテラーが物語をナビゲートしてくれる全4話。無機質なのに中毒性がある語り口、飛び出す絵本のような楽しい演出によって、またたく間に物語世界へと引きずり込まれてしまうことでしょう。
かくいう私も、はじめは流し見していたのに、気がついたら目が離せなくなっていました。
紙芝居のようでもあり、Eテレの朗読番組のようでもある、強烈な吸引力。まるで上質な絵本の中に入り込んだかのような体験ができるはず……!
<その2:不思議とクセになる奇妙なお話>
ロアルド・ダールさんのブラックユーモアを随所に垣間見れるお話でありながら、エドワード・ゴーリー作品のような不条理さや残酷さ、「だからなんやねん!!!」とツッコみたくなるシュールさもある本作。
正直、好きか嫌いか好みが真っぷたつに分かれそうなのですが、好きな人には強烈に刺さるタイプの作品だと思うんですよ。
ちなみに私は圧倒的に刺さったタイプでお気に入りの小説を再び手に取ってしまうように、何度でも観たくなるッ!!
<その3:これぞウェス・アンダーソン! ずっと眺めていたくなる画力>
『グランド・ブダペスト・ホテル』や『アステロイド・シティ』などで知られるウェス・アンダーソン監督が手がける本作。
ウェス・アンダーソン作品といえば、シンメトリー(左右対称)な構図×パステルカラーでおなじみですが、本作でもこのセオリーに乗っ取った映像美がさく裂! どのシーンで停止しようとも、このまま切り取ってお部屋に飾っておきたくなるほどに美しい……。
他作品では決して見られないであろう、唯一無二の画力は必見です。というか、意識して観ようとしなくても、いつのまにか目が釘付けになっていることでしょう。
【ベネ様の顔芸も楽しめます】
『ハリー・ポッター』シリーズでヴォルデモートを演じているレイフ・ファインズさんをはじめ、『ガンジー』『シンドラーのリスト』のベン・キングズレーさんや、『スラムドッグ$ミリオネア』『ホテル・ムンバイ』のデヴ・パテルさんなど、名優たちが勢ぞろいしている本作。
どのキャストも魅力的ですが、私的には、ベネ様ことベネディクト・カンバーバッチさんを推したいっ!
ベネ様は1作目『ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語』と4作目『毒』に出演しており、『毒』ではベネ様の職人技が光る顔芸も楽しめます(笑)。ぜひ全作品コンプリートしてみて。
■今回ご紹介した作品
Netflix映画『奇才ヘンリー・シュガーの物語 他3編』
2024年3月15日から独占配信中
※カウチポテトとは:ソファや寝椅子でくつろいでポテトチップをかじりながらテレビやビデオを見て過ごすようなライフスタイルのこと。
執筆:田端あんじ (c)Pouch
Photo:©2023 NETFLIX, Inc.
コメントをどうぞ