放射線量が高い地域に住む福島県内の小中学生に対して、学童疎開させようという声が県内・県外から出ています。

避難指示が出されている原発30キロ圏内の地域以外でも、通常より高い放射線量が検出されている非常事態を受け、市民団体「原発震災復興・福島会議」は17日、福島県内市町村長および教育長に向けて進言書を提出しました。

進言書の主な内容は、「0.6マイクロシーベルト以上の学校の授業中止と学童疎開」を要請するというもの。

同団体が作成した資料によると、県内75.9%の地域で0.6マイクロシーベルト以上の「管理区域」基準を超える放射線量が、20.4%の地域で2.3マイクロシーベルト以上の「個別被ばく管理」を必要とする放射線量が、検出されています。

しかし、高木文部科学大臣は15日に行われた会見で「学校を頻繁に移動させることはできない」と述べ、文科省は19日「学校活動上での放射能安全基準を年間20ミリシーベルト」にすると発表。

これは13日に内閣府原子力安全委員会が「子どもは10ミリシーベルト程度に抑えるのが望ましい」との見解を示していただけに、市民の疑念は募るばかりです。

「学童疎開」を先述の市民団体が訴え始めたのをきっかけに、県内はもちろん全国の保護者などから賛同する声が上がっています。

ツイッター上では次のような声が。「地元だけの問題じゃない、外からも声をあげよう」「文部科学省になぜ誰も怒らないのか」「親はちゃんと抗議しなきゃだめ!」

一方、「原発震災復興・福島会議」サイトのコメント欄にメッセージを残した県内の保護者たちからは、「あまりにも周囲の生活が普通すぎで、危機を感じていました(福島市民)」「先日の入学式時の説明でも『この話題にはできるだけ触れないことになっている』感じでした(郡山市小学一年生の親)」と地域や学校の様子を報告。

全国の保護者たちからは、「子どもたちを守る為の行動全てに賛同します(福岡県民主婦)」「なんの罪のない子どもたちにまっさらな未来をあげないと(大阪のママ)」「希望者だけでも関西や北海道など他県市町村で受け入れて貰えないものか(東京都民一児の母)」「子供たちを守れるのは、私たち親しかいない(横浜市 二児の母)」などと、子を持つ親の立場として市民団体の活動を応援する声がたくさん寄せられています。

同団体では今後、福島市内で「子どもたちを放射能から守るための集い」を開催するそうです。未曾有の事態に、なかなか明確な方向を示せずにいる行政や教職員。今こそ市民が立ち上がるときなのかもしれません。

(記者=ricaco)

参照元:fukurou.txt-nifty.com(http://bit.ly/dLo4Pk