[公開直前☆最新シネマ批評]
映画ライター斎藤香が皆さんよりもひと足先に拝見した最新映画の中からおススメ作品をひとつ厳選してご紹介します。
『ブラック・スワン』でアカデミー賞主演女優賞を受賞後、日本で出演作ラッシュが続くナタリー・ポートマン。なんと7月2日、同日に彼女が出演する映画が2本同時公開します! ということで今回は『マイティ・ソー』と『水曜日のエミリア』の2本からナタリーの魅力を探っていきたいと思います。
『マイティ・ソー』はアメコミの原作をなんと英国俳優&監督のケネス・ブラナーが監督した作品。ナタリー演じるジェーンは、宇宙物理学の博士という知的キャラ。
「原作はナースだったんだが、今の時代に合わせたんだ」とブラナー監督。そして「ジェーン役の女優はナタリー・ポートマンみたいな女性」と探していたが、ふとある日、スタッフのひとりが「本人に頼んでみれば?」とひとこと。そしてナタリーにオファーをしてみたら、快諾したというわけ。「まさかね~」と思ったヒトコトが現実に! 思いつきでも言ってみるもんです。
ナタリーにとっては『ブラック・スワン』の直後に出演した本作。精神的に追い詰められるバレリーナ役で疲労困憊していたせいか『マイティ・ソー』ではフットワーク軽くノビノビしたナタリーを見られます。いまどきのアメリカの女性っぽさの間に知性が見え隠れするような。『ブラック・スワン』のあとに見るのに最適! 明るく楽しそうなナタリーを見て「よかった~、元気になって」と、ホッとするのは私だけじゃないはず。
一方『水曜日のエミリア』は2009年製作なので、『ブラック・スワン』の前に出演した小さな作品ですがナタリーは主演兼プロデューサーを担当した本気度の高い人間ドラマです。
略奪愛で結婚したエミリア(ナタリー)は、授かった我が子を亡くしてしまう。自分に振りかかった不幸から立ち直れず「不幸な自分にどうしてみんな優しくないの?」と、周りを振りまわすという、正直痛いオンナの物語ですが、ナタリーの好演、ヒロインが不幸の渦から脱する物語は後味はよろしい良作です。
原作はアイアレッド・ウォルドマンというイスラエル出身の作家でハーバード・ロー・スクール出身。同じくナタリーもイスラエル出身で大学も同じハーバード。ナタリーは以前もアモス・ギタイ監督のイスラエル映画に出演しているし、愛国心が強いのでしょう。イスラエルの映画、イスラエルの作家を積極的に支援していこうという心意気が感じられます。
現在公開中の『メタルヘッド』にも製作&出演しているナタリー。すでに監督作もあり、次に狙うのはアカデミー監督賞? それともプロデューサーとして作品賞? ナタリーの今後を知る上で、見逃せない作品になりそうですね!
(映画ライター=斎藤香)
『マイティ・ソー』
7月2日公開
監督:ケネス・ブラナー
出演:クリス・ヘムズワース、ナタリー・ポートマン、トム・ヒデルストン、ステラン・スカルスガルド、浅野忠信、レネ・ルッソ、アンソニー・ホプキンスほか
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『水曜日のエミリア』
7月2日公開
監督:ドン・ルース
出演:ナタリー・ポートマン、スコット・コーエン、チャーリー・ターハン、ローレン・アンブローズ、リサ・クドローほか
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ライタープロフィール(http://bit.ly/hlZYAr)
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