2017年3月25日に日本公開された映画『キングコング:髑髏島の巨神』が面白すぎる。ただただ、楽しい……!!

映画ファンの友人から興奮気味に感想を聞かされ、いてもたってもいられなくなったわたしは、迷わず映画館へ直行しました。『ラ・ラ・ランド』『モアナと伝説の海』などなど、ほかにも観たい映画がたっくさんあったけれど、そんなに熱っぽく語られちゃあ優先せずにはいられないっ。とはいえぶっちゃけ、わたし怪獣映画にそこまで興味はないのだけれども、ね。

そんなわけで期待半分、「失敗してもそれはそれでいいや~」という気持ち半分で、『キングコング:髑髏島の巨神』に臨んだのですが、正直な感想はズバリ「なにこれ、めっちゃめちゃ面白いじゃん!!!!!」

「すごーい!」「でかーい!」「やさしーい!」「こわーい!」といった具合に、口から出てくる感想はどれも幼子レベル。わたしの語彙力をほぼゼロまでもっていった『キングコング:髑髏島の巨神』の魅力、細部に隠されたこだわりを語りたいと思いますっ。

ここから先はネタバレありなので、ご注意くださいね!

【魅力その1:「ザ・怪獣映画」な圧倒的画力(えぢから)】

・コングがめっちゃでかい

時は、アメリカがベトナム戦争からの撤退を宣言したころ。未知なる生命体が存在するとされる太平洋の孤島スカル・アイランド(髑髏島)へ、謎の政府組織「モナーク」の暗躍により調査団が派遣されます。

島に上陸した人間たちの前にどどーんと現れたのは、巨大なる守護神・キングコング(以下、コング)。コングはでかい、とにかくでかい。一体どれくらいでかいのかというと、体長は31.6メートル体重は158トン

向こうから高層ビルがのっしのっしと歩いてきたと思っていただければ、わかりやすいのではないかと思います。

・コングがプロレスラーに見えてくる

そんなコングがヘリコプターをつかんでは投げ、同じくスカル・アイランドに暮らす巨大生物たちをバッタバッタとなぎ倒していく様は圧巻。手に汗握る激闘、今にも自分の体が握りつぶされてしまうのではないかと錯覚する迫力、ただただデカい生き物たちの姿、どれをとっても「ザ・怪獣映画」という感じ~!

個人的には、コングのファイトスタイルがどこかプロレスを彷彿とさせるところにもグッときちゃいました。あと、怪獣映画って、もったいぶってなかなか怪獣を出さないイメージがあったのですが、コングは始まって早々に登場します。この出し惜しみのなさもイイね☆

【魅力その2:人が死にまくる】

・どんだけ死ぬの

「魅力」といってしまうとわたしがサイコパスなのではないかと誤解する方もいるかもしれないのですが、容赦のなさも、この映画における魅力の1つになっていると思うのです。

「振り向いたら人が死んでた」「後ろに敵がいたりして……と思ったら、案の定やられた」などなど、人がとにかく死ぬ、死にまくる。「この人は映画の中でも重要な人物だから、きっと生き残るはず……!」なーんて思ったが最後、その人もあっさり死んじゃうんですよ。思い切りがいいでしょう?

・このシーン、どっかで見たことあるような……?

とりわけ印象的だったのが、油断した瞬間、巨大生物に1人のオジサンが連れていかれる場面。

「ああ、これで助かるんだ!」とオジサンが後ろを向いた途端にやってきたのは、翼竜っぽい捕食生物サイコ・バルチャー。肩をがっつり掴まれてあれよあれよと空へ上り、サイコ・バルチャーたちに捕食されるオジサンの姿に既視感を覚えた。そんな怪獣映画およびB級ホラー映画ファンはわたしだけではない、はず……!!

【魅力その3:ほんのり漂うBLっぽさ】

・さらっとアノ人が出演してる!

映画の冒頭で観客の視線を釘付けにするのは、2人の軍人が繰り広げる乱闘シーン。

それは調査団が島に上陸するだいぶ前、太平洋戦争の真っただ中。この島にパラシュートで不時着したアメリカの軍人マーロウと、日本の軍人グンペイ・イカリが1対1でやりあうところから物語が始まるわけなのですが、ここは超見どころ! 

グンペイを演じているのは、日本が世界に誇れるギタリストMIYAVI(ミヤヴィ)さんで、その見目麗しいことといったらないんです。お顔はもちろん、一挙手一投足すべてが美しく、艶っぽく、そして妖しいっ。

・友情以上のなにかを感じてしまうのです

そして28年後。島を訪れた調査団と遭遇したマーロウの口から、グンペイが死んだこと、グンペイと共に助け合って生き抜いてきたこと、一緒に帰ろうと約束したことなどが語られるのですが、マーロウの全身からグンペイへの深~い想いが、愛が、伝わってくるんですよね。

巨大生物と戦う際にマーロウがグンペイの刀を用いる点、カタコトの日本語で「不名誉より死……」(グンペイから教わった?)と口にするあたりにも、愛がありあまっています。と、つい邪な目で観てしまったわたしなのでした。

【魅力その4:日本へのオマージュを随所に感じられる】

『キングコング:髑髏島の巨神』の監督ジョーダン・ヴォート=ロバーツさんは、来日した際に日本のアニメやゲームが好きだと語っており(『シン・ゴジラ』も大好きらしい!)、そのことは作品にもよく表れています。

「映画ナタリー」が監督に行ったインタビューによれば、先ほど紹介したグンペイ・イカリの名前の由来は任天堂ゲームボーイの開発者、横井軍平さんらしいし、名前のモデルとしたのは『新世紀エヴァンゲリオン』の碇シンジとのこと。

またグンペイの刀には、ジブリ映画『もののけ姫』の主人公サンが持っている刀のくさび形文字が刻まれているというんだから、芸が細かい~! コング以外の巨大生物たちのなかにも、これら日本のアニメに出てくるキャラクターをモチーフとしているものがいくつかあるらしく、自分で探してみると面白いかもしれません。

そういや、コングの怒りの根源にある「侵入者に対する憤り」「島を守らねば」という思いは、どこか『もののけ姫』に通じているような……気もするっ。

【魅力その5:コングたんがめっちゃイイ子】

一見乱暴ものに見えるコングですが、行動を注視していれば、彼には彼のルールがあることがわかります。

そのルールとは「島や自分に対して害を与えない者には何もしない、むしろピンチのときは助けてあげる」というもの。それは人間だって動物だって、巨大生物だって同じことで、味方とわかれば自分の身を犠牲にしてまで守ってくれるんだから泣けてきちゃう。島に住む原住民たちから「神」と崇められるのも当然でしょう。

そしてコングたん、なぜだかカップルに優しい。先に挙げたマーロウ&グンペイのことも殺さずに生かしたし、調査団として島を訪れた女性カメラマン・メイソンと調査隊のリーダー・ジェームズのこともしっかりと守っています。気のいい人たちがたまたまカップル(ペア)だったというだけかもしれませんが……とにもかくにもコングたん、心の優し~いイイ子なんですよね~!

【3部作の第1弾なんだって!】

そのほかにも、ブラック・サバス『パラノイド』をはじめ70年代の名曲が使われている点、エンドロール後に重要なシーンを流す点(だから最後の最後まで席を立っちゃダメ!)などなど、グッとくるポイントが目白押し。

「映画ナタリー」によれば、『キングコング:髑髏島の巨神』は映画『GODZILLA ゴジラ』を手がけたレジェンダリー・ピクチャーズによる企画「モンスターバース」3部作の第1弾。

2019年公開の第2弾では怪獣たちがリーグ戦を繰り広げ、2020年公開の第3弾では我らがガッズィーラ(ゴジラ)とコングたんがガチンコ勝負することになるらしいので、今後のためにも第1弾は観ておくべきですよぉ!

参照元:YouTube映画ナタリー
参考リンク:『キングコング:髑髏島の巨神』オフィシャルサイト
執筆=田端あんじ(c)Pouch

▼映画館で観るべき映画!

▼謎の組織「モナーク」は映画『GODZILLA ゴジラ』にも出てきましたよね(こちらはPR用に作られたドキュメンタリー風動画)