草食男子も度が過ぎると「芝生男子」という新たなカテゴリへ入っていきます。具体的には、3〜6年ほど恋愛から遠ざかっていて、かつ学生時代の恋愛方法を引きずっていて、社会人になったときに恋愛対応をどうしていいか分からないといった男子のこと。

芝生男子はかなり慎重派で、真面目かつ一途なタイプなので、本気で好きになった相手しか誘いません。そういうわけで元々誘う対象が少ないため、そこで断られるとかなり落ち込んだり、ますます脅えて恋愛を難しく考え始めたりしてしまうスパイラルに陥りやすい。

そんな自称・芝生男子と対談してきました。しかし彼は2年ほどの間に芝生男子を克服しようと頑張ってきていて「もうすぐ新たなステージへ行けそう」とのこと。男子による男子的な意見が、女子によって咀嚼されて、目線が偏っていない「明日からできること」を紐解いていきます。

芝生男子(以下、芝生)「芝生男子を代表して来ました(笑)。芝生男子にとって、好きな子を最初のデートに誘うのはすごくハードルが高いんです。会社の同期女子に飲み行こうと声をかけるのとは、レベルが違う別次元の話で。ベルリンの壁が存在しているイメージですね。シラフの状態だと誘えないです。酔った勢いでメールを作って、えいやって送信して、携帯を伏せる。どんな反応があるか考えるのが怖いから。向こうの反応がすごく気になって『私のこと好きなんだろうかこの人。きもちわるい』とか思われるのがイヤだし怖いんです」


sonoko0511(以下、sono)
「そんなに勇気がいる行動なんですか……知らなかった! ごめんなさい、女子側はそこまで頑張って誘ってくれている男子がいるってこと、分かってなかったですね……。もっと気軽に誘えばイイと思いますよ。女子はわりと誘われ慣れているから、初めてごはんに行く男子から『飲みに行かない?』とメールが来ただけで『この人私のこと超好きじゃん』なんて思わないです。『この人私のこと嫌いじゃないんだろうな。むしろ好意はあるみたい』と感じるくらい。ごはんとか飲みに誘われることって、女子にとってはそれほどハードルは高いことじゃないんですよ」

芝生「へええ! 知らなかった……。芝生男子にとって、ごはんに誘って断られたらその子とは一生仲良くできないイメージ(笑)。結構学生時代の同じコミュニティとかにいて付き合うという感じを引きずっていて、社会人になってからスタート地点をどうしてイイのか分からないんです。きっと女の子の方もある程度経験を積んでいて、連れて行くお店もグレードアップしていたりとか思うので、最初はどういうお店をチョイスすればイイのかとかも悩みます。『いきなりこんなところ?』と警戒されたり、逆に引かれたりするのも怖い」

sono「そんな大袈裟な(笑)。女子に予定があって断る場合もあるので、1回断られたくらいでは気にしなくてイイですよ。芝生男子ってそもそも本命しか誘わないわけですよね? だから自分の中で女子を誘うハードルがすごく高くなってるんですよね? もっと広げてみませんか? 女子を誘うことにもっと慣れてみるのはどうかなと。少し気になる感じの子も誘ってみるとか。そうすると女子の本音も聞けるし、適切なお店も選べるようになると思います。女子目線でいくと、初回のデートは金曜の夜か土曜の夜がイイですね。飲みに行くイメージな日だし、お酒が入ると打ち解けやすいので。お店は学生ノリの安くてガヤガヤしているところじゃなく、すこし落ち着いたグレードの、それでも敷居の高過ぎない、頑張り過ぎていないカジュアルなダイニングバーがイイかなと。どこから選ぶかなんですが個人的に、カジュアルなデートに向いているお店が載っている、とあるフードアナリストの女性が書いているグルメブログからエリア・ジャンルによって選ぶのがオススメ」

芝生「ほー! 参考にします! では誘うまでにメールでどうしたらイイかとか、こんなことを聞くとイイとか、女子の具体的な本音を聞いてみたいかも」
sono「メールでは、何か好き嫌いはあるか、どんなものを食べたいかとかリサーチするくらいでイイかなと。好き嫌いのどちらも聞けるとベストです。気遣いしてくれてるなぁ、と嬉しくなります」

芝生「たとえば社会人になって仕事で上京してきて『出会いがない』と感じて、躊躇している芝生男子も多いと思うんです。学生の頃は同じサークルとかに女子がいて、普通に関わっていたと思いますが、社会人になると会社以外の女子とはどう接してイイか、どう出会えばイイかがそもそも分からない。僕もそうでした。合コンがすごくハードルの高いものに思えて、上京して初めて合コンに行ったときはまず男子だけで集まってすごい入念に準備とかしましたもん(笑)」


sono
「なるほどー。合コンって、芝生男子の中ではかなりハイレベルなイベントなんですか……? それもびっくり! 合コンについては、もっとカジュアルなイベントだと思ってイイかも知れません。最近の女子は合コンに友達を見つけに来ているような感じなので(笑)。まずは女友達をつくりに行く、という感覚で行ってみるのがちょうどイイと思います」

芝生「なるほど。芝生男子と女子の持っている意識自体、全然違うんですね。芝生男子はとにかく相手がどう思うかを気にし過ぎてしまうんですね。そこを『意外とそれほど重く捉えられていない』と理解することで救われるかな」
sono「そうそう! 全然重くないです。初回デートで飲みに行くのは普通です。あと思ったのですが、その相手のことを好きなら『この男子、私に好意はあるかも』というラインまでは、女子に気付いてもらわないとダメです。そこは最低限伝わらないと始まらない。1回誘ったくらいで『私告白される!?』なんて女子は思わないです(笑)。気軽に1回『金土どっちか飲みに行かない?』と声をかけてみましょう。行動しないと進んでいかないので」

【まとめ
・女子はごはんに誘われても「え、私この人に告白されるかも……」などと思わない。「お、ごはんかー」と思う程度なので、カジュアルに誘ってみよう!
・女子は合コンに「男女問わず友達を見つけに行く感覚」で行くことが多く、ハードルの高いイベントではないので、気負わず気軽に参加してみよう!

(取材、写真、文=sonoko0511