英語で、月の名前に「 r 」のつく月がカキの旬、って言いますよね。4月はApril、5月はMayだから……今月を最後に、カキにしばらく会えなくなるってこと! どうせなら、いちばんおいしいカキ料理でシーズンを締めくくる、なんていかがでしょうか。最高にカンタンで最高にウマいカキ料理の作り方、無類の「酒と食好き」ライターが集う「女子のんべえ部」がお教えします!
今日紹介するのは「カキのコンフィ」。コンフィっていうとなんだかシャレてて難しそうだけど、要するに「オイル煮」のこと。湯でなく低温のオイルでじっくりと煮るっていう、フランス伝統の調理法です。カキのコンフィも、言ってしまえばカキをオイルで煮るだけ。ただそれだけなのに、とんでもなくおいしい一品になるんです!
オリーブオイルとハーブの香りに包まれた柔らかな身に、カキ本来の旨みが凝縮されてたっぷり。キリッと冷えた白ワインやビールとの相性は最高中の最高、もう、1日ずっと飲みっぱなし、酔っぱなしになっちゃうくらいです。しかも保存だってきくという、言ってしまえば夢のカキ! 作り方をゆっくり解説していくので、チャレンジしてみて!
【材料】
・オリーブオイル……適量。けっこうな量を使いますが、あとで再利用できます。
・カキ……15〜20個。つまり、好きなだけ。
・ニンニク……1カケ。ニンニクが好きなら追加してもOK!
・とうがらし……1本。辛いのがニガテなら中の種はとっておきましょう。
・ハーブ……好きなものを。今回はローズマリーを1本使用。タイムもよくあいます。
・ローリエ……1枚。小さいものなら2〜3枚。
・塩、黒こしょう……適量。味を見ながら好きに入れましょう。
この時期、カキのラストってことで、意外と安くカキが出回ってたりします。今回は3パック20個ぐらいで980円だったので、すかさず買い込みました。コンフィにしておけば、あとあとまで食べられるわけです!
1 カキは、きちんと洗っておきましょう。まず、ボウル(なければ鍋)に海水と同じくらいの濃度の食塩水を作って、その中でカキを洗います。ひとつずつ手で、大事にすくってくださいね。。
2 キッチンペーパーなどで、カキの水気をしっかりと切ります。これをしないと油がハネてやっかいなので、念入りに。これでカキの下ごしらえはOKです。
3 カキといっしょに煮ていく材料たちです。手前から、ニンニク、赤とうがらし、ハーブ(ローズマリー)、ローリエ。ハーブはなくてもなんとかなるけど、ローリエがないとちょっとさみしい味になってしまいます。
4 ニンニクは、包丁の腹でぐいっとつぶして使います。好みによっては、スライスしてもいいでしょう。
5 鍋の底にカキをしきつめて、ニンニク・赤とうがらし・ハーブ・ローリエを入れます。鍋はできれば厚手のものを使いましょう。
6 オリーブオイルを入れます。しきつめたカキがきちんとひたるくらいが適量です。思い切ってどぼーっと入れましょう。もちろん、良いオリーブオイルであればあるほど、おいしくなりますよ。
7 味つけをします。塩は、だいたい小さじ半分〜1杯(多すぎると残念なことになるので、味を見ながら入れると確実です)。黒こしょうは好みにあわせて。ここで醤油やオイスターソースを隠し味に入れる人もいますが、ワインと合わせたいので今回は使いません。
8 火にかけます。中火ぐらいで、オイルがぼこぼこと軽く沸いたら、弱火にします。このままじっくり20分! なんにもしなくてOKです。本でも読んで、気長に待ちましょう。20分経ったら、火を切ってそのまま常温まで冷まします。
9 お皿に盛って完成です! このとき、パセリを散らすともうビストロの一皿みたいになります。また、レモンを軽く絞ってもおいしいですよ。
10 保存は、オイルごと容器に入れて冷蔵庫へ。オイルが固まるけど、常温に出すともとにもどります。この状態で2週間ほど保存が可能……でもたぶん、そのまえに食べきってしまうでしょう。
※オイルには、カキのうまみがたっぷり出ています。ゆでたパスタと絡めればそれだけで極上のオイスターパスタになりますし、炒めものにも最適。いろいろな料理の隠し味にも使えますよ。
いかがでしょう? 細かく解説したので手順が多いように見えるかもしれないけど、ひとことで言うと「ニンニクと一緒にカキを20分煮るだけ」です! 友達が来たときに「こんなのしかないけど」なんて言いながらこのコンフィを出すと、かなり感動されますよ。もちろん、それが酒好きの男子であれば、高い確率で心をグッとつかめるでしょう! カキがなくなる前にぜひ、おためしあれ。
(写真、文=女子のんべえ部員/ 鷹泊千里)
著者:フランス・パリのビストロでのバイトを皮切りに、日本各地の居酒屋で軒並みバイト。いろいろな料理人を横目で見てきた経験を活かしてうまいつまみを作る。
コメントをどうぞ