これまでの人生、大切なものをなくしてしまった経験のひとつやふたつ、皆さんにもあると思います。同じものを買えればよいですが、世界にふたつとない思い出の品であったら? 泣いても泣ききれないという人もいるでしょう。

ニューヨークに住むアメリカ人のエド・グレガーさんもそんな人の一人。今から半世紀以上も前の1958年。彼は高校の卒業祝いに叔母からブローバというブランドの23金の腕時計をもらったそう。時計の裏側には彼の名前と卒業の日付が彫られていたといいます。しかしその後、海兵隊にいたときに時計は誰かに盗まれてしまうことに……。

それから53年後。高校の元同級生だった妻と暮らしていたエドのところにかかってきた1本の電話。それはラスベガスの女性からで、彼に腕時計に彫られた文字を読み上げたのです。

「ラスベガスからの電話だなんて何かの間違いかと思ったよ。でも、話を聞いて、ずっとなくしていた時計が見つかったんだとわかったんだ!」

とエド。でも、腕時計は今までどこに? そしてどうやって彼のものだとわかったのでしょうか!?

電話の主はパット・ヘリックさん。腕時計は亡母の遺品の中にあったそう。亡母はヴァージニア・ビーチの海軍ステーション近くでゲストハウスとソーダ店を所有していたといい、「支払いができなかった軍人が担保として預けたんじゃないかしら」とパットさん。彼女は腕時計にあったエド・グレガーという名前をインターネットで検索し、エドの住所や電話番号を調べたのだそうです。

「この腕時計自体は価値があるものじゃないかもしれない。けれど、これは僕にとって宝物。自分が死んでも、この話とともに孫たちに残していきたい」と喜ぶエド。いい話だなー!

考えてみると、これってインターネットがある今の時代だからこそ叶ったことなのかも。もしFacebookなどSNSに登録していれば、さらに簡単に住所や出身校、年齢、所属などわかるかもしれません。たとえ、お互いが世界の裏側にいたとしたって。これはもしかしたら、あなたが失った宝物も、将来、何年後か、もしかしたら50年先にだって(!?)、戻ってくる可能性はじゅうぶんにあるかもしれませんね!

文=鷺ノ宮やよい

参照先:NewsFeed TIME(http://goo.gl/VMpdd