先日ご紹介した、マンゴーの果実をそのまま凍らせたアイス「完熟マンゴーバー」(ナカシン食品)の美味しさが忘れられない。
そのあまりの美味しさに驚愕した記者は、「もっと意外なフルーツを凍らせたら美味しいかもしれないし、バカ売れするんじゃないか」なんて、安易なアイディアを思いついたのです。
いったい何を凍らせてみようか。バナナやミカンは定番すぎる。いままでかつて、誰もしなかったようなフローズンフルーツじゃないとダメだ(売れない!)。
なぜか商品化を視野に入れつつ、思いついたのが、フルーツの王様と名高い「ドリアン」であります。
何かが腐ったようなニオイを放つというドリアンを、わざわざアイスにしたという話は一度も聞いたことがない。というか、むしろ凍らせることでニオイが気にならなくなるのでは!
などと「完熟ドリアンバー」商品化に向けての脳内妄想ひとり企画会議が進んでいったのでした。
・実は旨いし、栄養満点
臭い臭いと嫌われがちなドリアンですが、思い切って食べてみると、さすがフルーツの王様と言われるだけのことはあり、まったりとして美味であります。ややガソリン系の香りが口中に漂いますが、大丈夫、すぐに慣れてクセになるでしょう。しかも栄養満点&ミネラル豊富! 適度に食べれば健康にも良いわけですよ。うん、健康に気をつかう日本人だからこそ絶対に食べた方が良い。納豆みたいに、好きになった方が良いにきまってる!
そこで、記者が考案した「完熟ドリアンバー」が日本人のドリアン嫌いを解決してくれるというわけであります。
というわけでドリアン嫌いの皆さんのためにさっそく作ってみましたよ! 本当は極秘中の極秘だけれど、本日は特別に「完熟ドリアンバー」の秘伝レシピやコツもご紹介しちゃいます。
【完熟ドリアンバーの作り方】
<材料>
・ドリアン(小分にされているものがいい)
・アイス用の棒(割り箸でもOK)
・サランラップ
※できれば薄いビニール手袋をはめて作業すると良いでしょう。
※ニオイが苦手な方はマスクも。
※ドリアンの独特の香りを嫌う方もいますので、なるべくベランダなど屋外で作業すると犠牲者が減ります。
<作り方>
1 ドリアンを丁度いいサイズに分ける(緊張度レベル4)
もわわ〜んとガソリン臭がする果実を手でしっかり押さえながらナイフで切り分けましょう。
2 小分にしたドリアンをアイス用の棒にさす(緊張度レベル5)
工程のなかで最もドキドキする作業ですが落ち着いて。まず、もわわ〜ん臭の果実をむんずとつかみ、ボトリと棒から落ちないようある程度ひきしまった “もわわ〜ん部分” につきさせばいいのです。
3 サランラップでしっかりくるむ(緊張度レベル3)
一連の工程のなかで、ようやくホッと一息つくことができる作業ですが、しかーし! ラップから果実がニュッとはみ出すこともあるので油断は禁物です。このとき、手に “もわわ〜ん” が付いてないことが大前提。
4 ビニール袋に入れてニオイをシャットアウト(緊張度レベル1)
“もわわ〜ん” が外にもれないよう、ビニール袋のなかに入れてしっかりと口を結ぶ。これを省けば、同居人などからお叱りを頂くことになります。油断しても抜かりなく!
5 冷凍庫に入れて1日以上置いて完成!
このレシピのいったいどこが極秘で秘伝なのかって? いやいや、ドリアンの取り扱いを侮るなかれ。上記の手順ひとつ抜けても一大事だから気をつけて!
さて、いったいどんなアイスが完成したのかっていうと。
・ニオイ
凍らせたおかげで、ほとんど “もわわ〜ん” しない……と思ったら、冷え冷えとした冷気とともにほのかに “もわわん” なドリアン臭。うん、なんにも隠れてない。まさしく、これぞドリアンといった感じ。
・風味
ひと口目は……ホッ、味が感じられない。ふた口三口と食べていくと……“もわわ〜ん” かつ、まろやかな風味がジワリジワリと口のなかで広がってゆくよ。悪くないよ、うん。これはこれでグッドだよ。
・感想
シャリシャリして食感もグッド。このシャリシャリを味わっていると、“もわわ〜ん” がどこからともなくやって来るという感じです。悪くないね。悪くないけど、ドリアンの旨味が激減している気もする……そういえば、ドリアンの美味しさのひとつである「まったり感」が皆無であります。
つまり、単なる「微臭アイス」になっている。なんとなく臭いが味もほぼない、でもきっと栄養は満点な「微臭アイス」がここに完成です! ジメジメした梅雨の季節を、そのままアイスにしちゃったかのような風味です。
■「微臭アイス」を編集部のスタッフに食べさせてみると……
「わ、俺ダメ、この味」「うわあああ〜」「捨てていい?」「ちょっ……、うぐ……、こ、個性的な味ですね」「もうこれ以上はムリ」などなど、誰の心にも突き刺さらなかったのは失礼しちゃう。
そこまで言うほどじゃないでしょ! たかが微臭じゃないの!! と心のなかで反発した記者は、もちろん1本完食です。
というわけで、ちょっと臭いものや変わったものがお好きな方は、ぜひ作ってみよう! そうそう、凍らせたドリアンをおろして粉末にして、バニラアイスとかにふりかけてもきっと美味しいですよ!
なお、アイスメーカーのみなさま、商品化にあたっての連絡は一切必要ありません。心置きなく納得のいくドリアンアイスを開発してくださいませ。
(写真、文=メル凛子)
▼このイガイガはいつ見ても立派だわ〜!
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