先日、外国人の知り合い6人と、遅ればせながら「東京にオリンピックが来て良かったねえ」という話をしていた記者。
「東京はご飯もおいしいし、ホスピタリティもあるし、安全だし、道もきれいだからいいよねえ」という彼らに、あえて「『東京のここが直ったら、もっと良くなるのに!』っていうところはある?」と聞いてみました。
話していたのは、基本的に「日本LOVE」のイギリス人、アメリカ人、スイス人、インド人、フランス人、シンガポール人。日本が好きとはいえ、やはりいろいろと感じるところもあるようで、熱く教えてくれました。東京在住の記者にも耳の痛い話ばかり。さっそく紹介しましょう。
<1 前を見て歩かない!>
スマホを見ている人も多いけれど、目を開けて前を向いて歩いているのに、ちゃんと見ていない人が多いのではないかと、多数の人が指摘。「人が多い東京なのに、前を見てない人が多くてよくぶつかりそうになる。怖い」と感じるそうです。
NYなどの大都市でも、最近はスマホを見ながら歩いている人が多いのではと思ったのですが、「東京ほど前を見ていない人が多い都市はない。道を横断するのに左右の確認さえしない人もけっこういる」とのこと。記者もよくぼーっとしているので反省。
東京では身構えていなくても危険な目に遭いにくいということや、忙しくて疲れている人が多いことが理由かもしれないですが、前は見なくちゃ!
<2 完全に「外国人」扱いをする!>
例えば、日本人と外国人が一緒にレストランに行った場合。外国人が日本語で注文しているのに、お店のスタッフはその外国人の存在がまるで見えないかのように、同席している日本人に向かって注文の確認をすることがしばしばあるんだそうです。
都会度が高まれば高まるほど、その傾向は強くなるとのこと。「東京以外の場所に行くと普通に日本語で話しかけてくる人が多いのに、東京では(自分が話す日本語を)無視されることが多い。人間扱いしてもらっていない気がすることがある」と何人かの人が指摘。
外国人には英語で話さなくては、という刷り込みによるものかもしれませんが「自分は人間じゃなくて、『外国人』っていうものになっている気がする」とまで言う人もいました。ちょっとかわいそうですよね。
相手が英語圏の人とも限らないし、外国人が日本語で話しかけてきたらスルーせずにちゃんと返事してあげたいところです。
<3 歩いている人の直前を横切る!>
歩いている人の直前で横切る人が多いということも指摘されました。「自分の目の前をばっと横切られて、足が引っかかって転びそうになったことが何度もある」とのこと。特に駅が危険で、足を踏まれることも多いんだとか。
人が多くて急いでいる人が多い上に、日本人が予測した外国人の歩幅と実際の歩幅が違うことから来る問題かもしれないですね。でも、危ないことは確かです。
<4 フローから外れたサービスをめんどくさがる!>
マニュアルに基づいたサービスが、ものすごく行き届いている東京。しかし、ちょっとマニュアルから外れることを頼むと、お願いしたスタッフでは対応できず、上司に聞いたり、本部に確認したりして……ということが必要な場合も。東京以外の地域では、「ああ、いいよー。やってあげるよー」と人間的に解決できることも多いのに東京ではできないのが残念だと感じる様子。
話をしていたインド人はこの状態を「東京の人は自分が知る限り世界一めんどうくさがりだ!」と表現。めんどうくさがりというよりも、おそらく東京では経営者がお店に立っていることが少なく、仕組み上、臨機応変にできないだけ。でも事情を知らずにサービスを受ける側からすると、「めんどくさがり」に見えてしまうのかもしれません。
もう少し現場に権限を持たせて、臨機応変な対応をできるようにすると、さらにステキな東京になるかもしれませんね。
<5 他人とコミュニケーションをまったくとらない!>
エレベーターでドアを開けておいてくれた人に「ありがとう」と言ったり、すれ違い様にぶつかっちゃったときに「すみません」と互いに言い合ったりすることがほとんどないのも残念とのこと。
どの国でも大都会ではあまりコミュニケーションを取り合わないものですが、特に東京は群を抜いてコミュニケーション不足だと感じるようです。会話に参加していたアメリカ人は「ちょっと『ありがとう』と言ったり、『すみません!』と言われたときに『こちらこそ!』と声を掛け合うだけで、気持ちがいいものなのにねえ」と言っていました。
いかがでしょうか。オリンピックまではあと7年。「お・も・て・な・し」の心や安全さ、おいしい食べ物などに加えて、みんなが少しずつ意識して上記の点を直していけばもっとステキな東京になっちゃうかもしれませんね。
(取材・文=FelixSayaka)
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