coach

自慢できることではないのですが、私はすごく貧乏なんです。吉野家に行ったら紅生姜を山盛りにして食べるほど貧乏なんです。だから最近、彼氏に COACH(コーチ)の時計をプレゼントしてもらって感動しました。ブランド物なんて一度も買ったことがないから。

でも、あまりにも貧乏すぎて、現金がほとんどない状態になってしまいました。CDとか本とか、いろいろ売りましたが2000円くらいにしかなりませんでした。そこで、彼氏がプレゼントしてくれたCOACHの時計を質屋に売ることにしました

彼氏がくれたCOACHの時計はブラックで、すごく高級感があります。文字盤にもちゃんとCOACHって書いてあって、すごくオシャレ。目覚まし機能も付いています。予想ですが、低くてもだいたい5万円くらいにはなるかなと思いました。良ければ10万円くらい?

でも質屋さんの返答はシビアでした。3万円どころか、1万円にすらなりませんでした。5000円にもなりませんし、1000円にも、100円にもなりませんでした。質屋さんは以下のようなコメントを私にしたのです。

「すみません。これ雑誌の付録です。うちではノベルティとか雑誌の付録とか、COACHの店頭で販売しているもの以外は買取できないんですよ」(質屋さん 談)

ショックでした。彼氏が私のために高級なCOACHの時計を買ってくれたと思ったのに、実は雑誌の付録だったのです。あまりにもショックで現実を受け入れられず「これってCOACHの時計ですよね?」と聞き返しました。でも質屋さんは「いやぁ~……うちではノベルティとか雑誌の付録とかは扱っていないので」とのこと。死にたい。

(写真・文=モンブラン幸子)