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好きな人のそばにいるだけで、頬がほんのり上気する。嫌なことがあって落ち込んでいるときは、なぜだか全身が冷えているように感じられる。怒りが頂点に達したとき、顔全体が熱くなる……みなさんもこんな経験、身に覚えがあるのではないでしょうか。

海外サイト『DiscoverMagazine.com』によると、どうやらこの現象、気のせいではないみたい。

フィンランドにスウェーデン、台湾の人々ら700名以上の被験者を対象に行った調査によると、人間は自身の感情が変わると同時に、体温までも著しく変化を遂げていたことが判明

彼らにそれぞれ、感情に訴えかける言葉や表情を投げかけ、また同様にそのような本やビデオを観てもらったところ、生まれた感情によって体温が激しく変動。たとえば幸せを感じているときは全身真っ赤、つまり全身ポカポカの状態に。恋愛感情が沸き起こったときは、全身温かくなりますが、特に心臓付近の温度がより上昇。逆にひどく落ち込んでいるときは全身真っ青、つまり冷えっ冷えの状態にあることがわかったの。

また同じ「負の感情」でも、怒りや恐れ、嫉妬などを感じた際には、主に顔付近の温度が上がるという結果も。これは一時的に呼吸数や脈拍数の増加が起こることが大いに関係しているようですが、一方で下半身は上半身と相反するように、比較的温度が低めである、ということがわかっています。

ちなみに、異なる言語を話し異なる文化を持つ被験者たちでしたが、感情の動き、そして体温の変動には一貫性があったのだとか。この点も非常に興味深いですね。

調査を行った研究者ら曰く、「感情と共に体温が変化するのは、体が怒りや恐怖に立ち向かおうと、無意識に準備を行っているからではないか」とのこと。

なるほど、そう考えるとポジティブな感情や、対外へ向けた負の感情が起こった際に体温が上昇したこと。そして「落ち込む」といった、極端に内側へ向いた感情が起こった際には体温が低下したことが、とても腑に落ちますっ。

感情が移り変わるごとに、体温も一緒に変化していくことが如実にわかる、今回の調査結果。発表された体温分布図を見ているだけで、心と体は繋がっているのだということを、身に染みて実感しちゃいますね。

(文=田端あんじ)

参考元:DiscoverMagazine.com

▼驚いたときや悲しいとき、また不安や恥、嫉妬心などを感じたときは、「顔は熱く手足は冷たく」といった状態に

・上段左から:「怒り」「恐れ」「嫌気」「幸せ」「悲しみ」「驚き」「平常心」
・下段左から:「不安」「愛」「落ち込み」「軽蔑」「誇り」「恥」「嫉妬」

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