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エスパー魔美』といえば、『ドラえもん』『パーマン』などと並ぶ藤子・F・不二雄先生の代表作のひとつ。私(記者)と同じ30代女子なら、小学生のころにアニメで観ていた人も多いはず。平凡な中学生・佐倉魔美(以下、マミ)がある日、自分のエスパーとしての能力に気づいたことから、その超能力を使って人助けをしていくというストーリーです。

この漫画に出てくるマミのボーイフレンドが同級生の高畑和夫くん。リアルタイムで『エスパー魔美』を観ていた小学生のころの私は、高畑さんのことを「モッサリしてるし小太りだしダッサイ男だなー」と思っていたものです。しかも、理屈屋だし怖がりだし女ゴコロがまったくわからない……。しかし、大人になってから漫画を読み返してみたら……

高畑よ、なんていいオトコなんだ!!

その中身イケメンぶりが素敵すぎるのです! 見た目はモッサリ、だけど実は中身はめっちゃイケメンのいい男!! 今回はそんな高畑さんの魅力について、漫画『エスパー魔美』の彼のセリフを拾いながらご紹介していきたいと思います。

1、ぼくにできることがあったらいつでも力になる
(「友情はクシャミで消えたの巻」より)

最初はマミではなく自分に超能力があると勘違いし、大喜びしていた高畑さん。それだけに実はマミがエスパーだったと知った時の落胆ぶりにはすさまじいものが。しばらくマミと距離を置いていたが、マミのよき理解者、相談役になることを快諾。そして言ったのがこのセリフ(実際にはマミの母親に言付けした形ですが)。けっして嫉妬したり卑屈になったりせず、「そのぶん、君のサポートをするよ」と言えちゃうなんて、さわやかすぎるぜ高畑さん!

2、理屈じゃないんだよ、人を信じるってことは
(「魔女・魔美? の巻」より)

同級生たちに悪い噂を広められてしまったマミ。あらゆる証拠が不利な中でマミを信じてくれたのが高畑さん。しかも、当然のようにサラリと言ったセリフがこれ。普段、めちゃくちゃ理論的で理屈屋な高畑さんが言うからこそ、この言葉に説得力と重みが出るんです!

3、テストのときなんか、わざと回答を一つか二つちがえて出してるんだ
(「勉強もあるのダの巻」より)

高畑さんは普段、家で勉強などしたことがない。授業中ぼんやりと聞いているだけでわかってしまうというのだ。「ぼくだって悪いと思っているんだよ! こんな頭に生まれついたのはぼくの罪じゃないぞ。それなのに……そんなに責められたってぼくは……ぼくは……」と泣き出す始末。天才的な頭脳を持ちながらも、けっしてそれをひけらかそうとしない、そんな高畑さんがカッコよすぎる!

4、少なくとも今の応援団ならまっぴらだ
(「学園暗黒地帯の巻」より)

暴力団まがいの応援団のせいで暗黒地帯となってしまった中学校。彼特有の正義感から現状を改善させようと動き出したところ、応援団団長に呼び出され「応援団に入らんか。貴様なら幹部にしてやってもいいぞ」と言われ……。普段は臆病な高畑さんが、大勢に囲まれリンチに遭いそうな状況でこのセリフ! 自分の信念のためにはキッパリと言い切る勇敢な姿、こんなん絶対、惚れますでしょ!

5、せっかくだけど…その赤さは血の色じゃないよ。光が手の色を通過するうちにほとんど吸収され、波長の短い赤だけが目に届くんだ。夕焼けの赤さとおんなじさ
(「恋人コレクターの巻」より)

マミに言い寄る女たらしが「真っ赤に流れる君の血潮!! この熱き血潮の冷えぬ間にぼくらは……」などと口説き出したときに、そばにいた高畑さんが冷静に言ったセリフ。こんなこと言われたら、相手のテンションも一気にだだ下がり! 女ゴコロはわからずとも、肝心なときにはちゃーんとボディガードになってくれるんです!!

6、ひょっとしてそのヘマこそ君の最大の超能力かもしれないよ
(「スランプの巻」より)

エスパーとしてスランプに陥るマミ。失敗続きでヘコんでいる彼女に高畑さんがかけた言葉がこれ! もし私たちが仕事などでうまく行かなくて落ち込んでいても、そのままの自分を受け入れてくれて明るく励ましてくれる彼がいたら最高じゃない? ……高畑、どこまでいい男なんだぁーーーーーっ!!

いかがでしたか? 子どものころは、「どうしてマミみたいな美少女にダサくて中年体型な高畑さんが……」と思っていましたが、そんな浅はかな自分が恥ずかしくなるほどです。マミは顔はかわいいけれどドジで直情型なタイプ。二人はお互いが持っていないものを補いあっていて、まさに名コンビなんですよね!

漫画の内容も、大人になるとまた子どもの頃とは違った見方ができて、懐かしくなった皆さんにはぜひとも読んでみていただきたいところ。 『エスパー魔美』、いつまでも色褪せない名作です。草食系だ肉食系だ談義、塩顔男子もそろそろ旬を過ぎたころですし、ここらで中身イケメンな高畑さん男子を皆さんの周りでも探してみては? これまでは見た目だけでスルーしていた彼も実は案外、そうだったりして!?

(写真・文=鷺ノ宮やよい

▼ぼくにできることがあったらいつでも力になる

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▼理屈じゃないんだよ、人を信じるってことは

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▼テストのときなんか、わざと回答を一つか二つちがえて出してるんだ

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▼少なくとも今の応援団ならまっぴらだ

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▼せっかくだけど…その赤さは血の色じゃないよ

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▼ひょっとしてそのヘマこそ君の最大の超能力かもしれないよ

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