爽やかな酸っぱさがお好きな皆さん! きっと、皆さんは柚子、シークワーサー、かぼす、すだちがお好きなはず。そのお好きな柑橘類リストに、もう一つ加えてほしいものがあります。それは、「へべす」!
ちょっと変わった名前ですよね。平兵衛さんという老人が発見した、酸っぱい柑橘類ということでついた名前とのこと。このへべす、あまり市場に出回っていないのですが、驚きのおいしさなのです。見つけたら即買いをおすすめするレベル。
■へべすってどんなもの?
すだちよりも玉が大きく、柚子よりも皮が薄く、種が少なめで果汁たっぷり。フルーティでさわやかな酸味とまろやかな風味が特徴。読者の皆さんに1個ずつ分けて差し上げたいくらい。
ビタミンCが圧倒的に豊富。疲労回復に効くといわれるクエン酸も豊富です。しかも必須アミノ酸9種類のうち、何と8種類も含まれていて、さらに香り成分「リモネン」も含まれているのでリラックス効果も期待できます。
そしてなんといってもすごいのが、へべすにはナツダインと呼ばれる強い発がん抑制効果、がん細胞増殖抑制効果のある物質が、なんと柚子の47倍も含まれているのだそう。なんだかすごい! おいしいのにいろいろ役立つ! へべす、できる子!
■どんな風に使うの?
もしへべすを手に入れることができたら、どうやって使いたら良いのでしょうか? ヘベすを作っている農家で黒木園芸のスーパーヤサイジン・黒木洋人さんに、オススメの使い方を聞きました。
【へべすのオススメ食べ方1「へべすミルク」】
<用意するもの>
・へべす 1個
・牛乳(または豆乳) 150ml
・砂糖 お好み(記者は小さじ半分程度にしました)
<作り方>
1.へべす1個を輪切りにして絞り、砂糖を加えてよく混ぜる。
2.牛乳を入れてよく混ぜる!
以上! はやっ! でもこれが、とてもおいしいのです。むっちゃさわやかなヨーグルトドリンクという感じ。暑さで疲れてしまったら、これを飲むと良さそう。
また、黒木さんはポン酢代わりに「甘口醤油+へべす」を使っていて、それもオススメなんだとか。
続いて、最近記者が毎日作っているドリンクを紹介! こっちもとても簡単ですが、爽やかで毎日飲みたくなります。ヘベすの香りとマイルドな酸っぱさを楽しめます。
【へべすのオススメ使い方2「ヘベスジュース」】
<用意するもの>
・へべす 2個
・はちみつ 大さじ2
・水 150ml
・氷 製氷皿で作った氷5つ分程度(なくてもOK)
<作り方>
1.へべすを4つ切りにして皮をむく。
2.さらに半分に切って種を取る。種がほんのりピンクで目立つのと、種の量が少ないからさっさと取り除けます。
3.ミキサーへ材料を全て投入してガーッと撹拌する。甘皮の繊維や苦みが気になるようだったら、茶こしなどで取り除いてください。
終わり! さわやかでおいしいです。ホワイトラムなどを入れてもいけます。へべすは、基本的には柚子やレモン、すだちやシークワーサーなどと同様に使えばOK。風味の違いを楽しんで!
■皮も使おう!
入手困難で「幻の柑橘類」だけに、残った皮も大切に使いたいもの。皮もとても良い匂いがするので、記者が入手した黒木農園のへべすは無農薬だったこともあり、ミキサーのミル機能を使って皮を細かくしてハチミツ漬けにしています。これを、クッキーを作る時や紅茶を飲むときにちょっとずつ使うのだ! さわやかな香りが楽しめてオススメです。
■いつが旬? どこで手に入るの?
旬はハウスものが6〜7月、露地栽培のものは8〜10月。今がへべすの旬なのです! 宮崎特産らしく九州では入手しやすいようですが、あまり流通していないので「幻」的な存在。でも良い時代になったもので、ネットだったら農家から直接買うことができます。もちろん、この記事に協力してくださった黒木農園さんからも購入可能。
ちなみに、この夏は東京・吉祥寺駅すぐそばのハモニカ横町のたくさんのお店でへべすが味わえるのだとか。吉祥寺ハモニカ横町に行く時は、ぜひチェックしてみてください。
へべす、もっとメジャーになってスーパーで気軽に買えるようになるといいなあ! 全国のスーパーの皆さん、いかがでしょう?
参考:日向のへべす消費拡大プロジェクトホームページ
協力:黒木農園黒木洋人さん
取材、料理、撮影、執筆=FelixSayaka (c) Pouch
▼左からスダチ、へべす、かぼす。ヘベすは種が少なく、皮が薄く、果汁が多いので使いやすい!▼
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