子どもの頃、キラキラと虹のように七色に輝くプリズムの美しさに思わず見とれたことはありませんか? そのプリズムの美しさをぎゅっと閉じ込めたようなガラスのアートを見つけちゃいました! 見た途端に、わぁ~と声を上げてしまいそうになるこちらの作品は、イギリス人アーティスト、クリス・ウッド(Chris Wood)さんのものです。
大学で家具のデザインを学んでいたクリスさんは、光への関心からガラスの持つ特性と視覚的な魅力に強く惹かれていくようになります。彼女にとってガラスは、光の美しさを表現するのに最適な素材とのこと。その言葉の通り、彼女の作品は光の持つ美しさを余すところなく表現しています。
【使っているのは色付きガラスではなく、NASAが開発した特殊なもの】
彼女の作品の多くは、壁に小さなガラスの板を立ててつくられています。使っているガラスは一見すると通常の色付きガラスに見えますが、実はちょっと特殊なもの。ダイクロイックという、直射日光や宇宙放射線を防ぐために1950年代にNASAによって開発されたものなんです。
このガラスの特徴は表面に特殊なコーティングを施してあり、特定の波長だけを通すことで、表面が金色に輝いたり、鮮やかに色づいて見えたり、時には透明に見えたりすること。それが、作品をより味わい深くしています。もともと宇宙放射線を防ぐための実用的なガラスだったのに、それをアートに使っちゃおうという発想。ガラスについて専門的に学んだクリスさんだからこそと言えますね。
【特殊なガラスのために、いつ見ても見飽きない作品に】
ダイクロイックは光の角度や強さによって刻々とその色合いを変えていくから、文字通りいつまで見ていても飽きません! 朝、昼、夕方では同じ日光でも太陽の位置が違うので作品の色が変わります。同じ時間帯でも正面から見るのと、横やななめから見るのとでは、違った魅力が楽しめちゃいます。光の美しさを存分に堪能できるアートなのです!
彼女の作品はイギリス国内の学校や病院、ホテルなどに飾られています。ああ、こんな素敵なガラスアートが自分の学校にあったらさぞかし自慢だろうなあ~! クリスさんの作品はホームページで多数紹介中。もっと虹色のアートを見てみたい人は、チェックしてみてくださいね!
写真提供= Chris Wood
執筆=山川ほたる (c) Pouch
▼角度によって色や輝きが違います▼
▼窓に施されたアートによって、外にも室内にもちっちゃな虹がいっぱいに▼
▼見る時間によっても色や輝きが変わってきれい!▼
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