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みなさんは、三田のガウディこと、一級建築士の岡啓輔さんをご存知でしょうか。

岡さんはホームセンターの資材のみで家を建てる「セルフビルド建築」を、現在進行形で実践しているお方であり、その建物の名は「蟻鱒鳶ル(アリマストンビル)」。

着工からすでに10年(!)が経過しているという、同ビル。今なお建設中である点がまさにガウディの「サグラダ・ファミリア」を思わせますが、その軌跡が、とうとう漫画になっちゃったみたいなの!

【1月23日発売 “ビッグコミックスペリオール4号” をチェック!】

注目作、短編「せかい!! ―岡啓輔の200年―」が掲載されるのは、1月23日(金)発売の「ビッグコミックスペリオール4号」(小学館)。「宮本から君へ」「ザ・ワールド・イズ・マイン」「キーチ!!」らを手掛ける、漫画家の新井英樹さんによって描かれています。

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【植物が育つかのごとく、ゆっくりゆっくり建設中】

「2005年の着工以来、沢山の友人達に手伝ってもらいながら、植物のように、ゆっくりゆっくり出来ている小さなビルです」

こちらは岡さんが、自身のブログ「蟻鱒鳶ル保存会」のトップに記した言葉。

【 “200年保つ” ビルらしい!!】

なんでも「蟻鱒鳶ル」のコンクリートは、上質な砂とジャリを用いて作った、水セメント比37%の現代ではあまり使用されていないタイプのもの。ある研究者によれば「200年以上保つ」(!)質らしく、岡さんは「蟻鱒鳶ルを200年残す価値のある建築に」すべく、日々作業に励んでいらっしゃるようです。

【人気バラエティ番組にも取り上げられたことがあります】

2年ほど前には「タモリ倶楽部」(テレビ朝日系列)に、つい先日はマツコ・デラックスさんらがMCを務める深夜番組「月曜から夜ふかし」(日本テレビ系列)にも取り上げられたことがある、岡さんおよび「蟻鱒鳶ル」。

【再開発区域に掛っているんだって……】

双方の番組をご覧になった方ならすでにご存じでしょうが、実はこちらの建物、田町品川地区の再開発区域に掛かっているとのこと。

・現在挙がっているのは「曳家案」
1月14日に更新された岡さんのブログ記事によれば、現在挙がっているのは「曳家案」。つまり、「蟻鱒鳶ル」を壊さずに、そのまま移動するという案です。どういった結論を出すのかは未だ思案中とのことですが、今後が非常に気になるところ。個人的には、どんなかたちを取ろうとも岡さんにはそのまま建築を続けてほしい、そう願っておりますっ!

岡さんの熱い思いに触れることができるであろう、貴重な1冊。「蟻鱒鳶ル」、そしてなによりも岡さんご本人に興味を持たれたというアナタはぜひ、短編漫画「せかい!! ―岡啓輔の200年―」を一読されてみてはいかがでしょうか。

参照元:蟻鱒鳶ル保存会 小学館コミック
執筆=田端あんじ (c)Pouch