さわやかな柚子(ゆず)の香りと、ぴりりとした青唐辛子の辛みが、薬味好きの心を揺さぶり掴んで離さない「柚子こしょう」。九州名物ですが、全国的に知名度が上がって、最近ではチューブ入りも発売されています。
ねえ、みなさま、この「柚子こしょう」を混ぜこんだご飯を食べたことがありますか?
長崎県出身の記者(わたし)は、20年前から柚子こしょうの混ぜご飯が大好物。柚子こしょうが流行りだしてから、そのうちコンビニおにぎりとして発売されるに違いない、と確信し、その日が来るのを今か今かと待っていました。
――だがしかし! いつまでたっても発売されない! 柚子こしょうご飯を知らないのは、全国の薬味愛好家にとって大きな損失。ですので、今日から記者が全国的に流行らせることにします。
ご家庭で、居酒屋の〆のごはんで、もちろん最終的にはコンビニで。柚子こしょうおにぎりがコンビニおにぎりの一軍選手になるまで、どんどん広めますよ!
【正統派・柚子こしょうご飯の作り方だよ!】
混ぜるだけの「柚子こしょうご飯」ですが、こだわりの作り方があります。まずは正統派の作り方をしっかり覚えておいてください。さあ、メモの準備はいいですか?
まず用意するのは、緑色の柚子こしょう。赤い柚子こしょうもありますが、緑色のほうが香りが爽やかです。チューブ入りのものでもいいですよ。
続いて、硬めの炊きたてご飯です。炊きたてでないと、なぜかこの柚子こしょうおにぎりは美味しさが半減――とまでは言いすぎですが、3割は味が落ちます。
どうか、最初は炊きたてご飯で作ってください!
ほかほかのご飯が炊けたら、炊きたてご飯1合に、チューブ入りの柚子こしょうを約10センチくらいの割合で絞り出しましょう。
ちょっと多そうに感じますが、大丈夫。絶対に美味しいのでご安心を。もちろん、慣れてきたらお好みの割合に変えてくださいね。
なるべくご飯をつぶさないように混ぜましょう。混ぜおわったら、柚子こしょうご飯のできあがり、さあお茶碗を用意――しません!
実は、柚子こしょうご飯は、ご飯茶碗でいただくものではないのです。どうするのかといいますと、おにぎりにします。
おにぎりにした柚子こしょうご飯の見た目は、とっても地味。塩むすびとほとんど変わりません。
さあ、握り終わっていざ実食! と言いたいところなんですが、ちょっと待ってくださいね。
どれくらい待てばいいかと申しあげますと、うーん、1時間以上は待ってほしいかなあ。
なぜかというと、柚子こしょうご飯は、以前ご紹介した「ポン酢ご飯」と同様、冷めたほうが美味しいからなのです!
もし晴れていたら、お弁当用にラップして、ピクニックの準備をしてはいかがでしょうか。お外で食べる柚子こしょうご飯――正確にいうと、柚子こしょうおにぎりは、格別なのであります! お夜食にもちょうどいいのですよ。
【柚子こしょうご飯(おにぎり)をつくるときのお願いだよ!】
おさらいします。柚子こしょうご飯を美味しく食べるために必要なのは
1.炊きたてのご飯(硬め)
2.柚子こしょう(緑)
3.おにぎりにする手間
4.冷めるまでの待ち時間
この4点です!
ゴマも、海苔も、余計なものは一切いりません! 塩気も十分ですので、アレンジ不要です。プレーンな柚子こしょうだけの風味で味わってください!
ただ混ぜるだけで手間なしの柚子こしょうご飯、握ろうが握るまいが、温かろうが冷たかろうが、そんなの好き好きだろう! ……とお思いかもしれません。でも、どうしても、一度だけ、せめて最初だけでもいいから、正統派の食べ方で召し上がっていただきたいのです。「これは、コンビニで売ってほしい味だ!」とお思いになること間違いなし!
そして、いつの日か、コンビニおにぎりのセンターポジションをとらせてあげようではありませんか! コンビニ各社の開発担当の皆様、聞こえていますかー?
撮影・執筆=綾部 綾 (c)Pouch
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