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[公開直前☆最新シネマ批評・インタビュー編]
映画ライター斎藤香が皆さんよりもひと足先に拝見した最新映画のなかからおススメ作品の主演女優を直撃インタビューします。

今回インタビューしたのは、ラブファンタジー映画『ビューティー・インサイド』に出演している女優、ハン・ヒョジュさんです。

毎朝目覚めると外見が変わってしまう恋人にとまどうヒロイン、イスを演じている彼女。陶器のような白い肌、可憐な雰囲気が素敵なハンさんに、映画撮影の裏話や日本での活動のことなど聞いてきました!

【物語】

朝、目覚めると外見が変わってしまうウジン(パク・ソジュンほか)。その秘密を知っているのは親友のサンベク(イ・ドンフィ)と母だけ。ある日ウジンは、アンティークの家具専門店でイス(ハン・ヒョジュ)に出会って心惹かれます。
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毎日、初めてのお客さんとしてイスに会いに行くウジン。彼は美男になる日を待ち、その日に彼女をデートに誘います。
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その後、3日間徹夜して美しいルックスを維持してきたウジンですが、電車の中でうっかり寝てしまい、中年のオジサンの姿に! 彼女に話しかけられないウジン。彼の連絡を待つイス。そしてウジンは、彼女に本当のことを告げようとするのですが……。

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【姿や性別が変わっても、恋人を愛することはできます!】

ハン・ヒョジュさんは、自身が主演した本作の感想をたずねられると「とっても綺麗な映画です」と大満足の様子。
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しかし、本作はウジン役の役者さんがコロコロ変わるから、じっくりコミュニケーションを結べない難しさも。なにしろウジン役は123人もの役者さんが演じているのです! 

でもハンさんは「楽しかったです」と。

「あれほど大勢の俳優さんたちを観察する機会を得たのですから、いい経験でした。みなさんとても巧い役者さんばかりだったので、撮影のたびに “この人はウジンをこういうスタイルで役作りしてきたんだ” と見て、感じて、演じられたことは、すごく興味深かったし勉強になったと思います。

ただ、毎日違う役者さんと演技するので、親しくなれない寂しさはありましたね。この映画にずっと出ているのは私だけでしたから。それをスタッフがわかってくれて、私をすごく盛り上げてくれたのがうれしかった。周囲の優しさのおかげで楽しい現場になりました」

しかし、ウジンは男性だけでなく、女性に変わってしまうこともあります。恋人が男性から女性に変わってしまうことって、女性側からすればけっこうショックだと思うのですが、演じるうえでとまどいはなかったのでしょうか?と聞くと、ハンさんは日本語で「むしろ女性になってくれてよかったです」と。

「イスとのシーンを演じたウジン役の女優さんは、上野樹里さんとチョン・ウヒさんでしたが、二人とお芝居してとても自信がつきました。また性別は関係なく、役者さんがウジンでいてくれれば、私はそれを感じることができるし、きっと映画を見てくれる皆さんも違和感なく、女性になったウジンを受け入れてくださると思います」

そうなんですよ、この映画にはハン・ヒョジュさんの相手役として上野樹里さんが出演しているのです。
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「驚くほど役について準備をしていらっしゃいました。ひとつの方向からウジンという人物を見ずに、いろんな角度からアプローチしていましたね。私は韓国人で彼女は日本人だけど、国は関係ないですね。演じているとき、私は上野さんをウジンとしか見られませんでしたから。彼女と共演できてよかったです」

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【恋愛の究極の選択を描いた映画】

映画『ビューティー・インサイド』はラブファンタジーですが、実はこの映画、恋愛の選択を描いている映画でもあります。ルックスが変わってしまったら熱も冷めてしまうものなのか。その点をハンさんに聞いてみました。

「イスもウジンと最初に出会ったときは、彼がイケメンだったから惹かれたのかもしれません(笑)。でも映画を撮り終って感じたことは、心が魅力的なら愛せるということです。私は演じていて、毎日、見た目が別人になってしまうウジンに対して憐みを感じました。イスも受け入れるのは難しかったと思うけど、相手はもっと辛いですよね。そう考えたら、ウジンをもっと愛してあげたい、大切にしてあげたいと思いました」

なるほど。ルックスが変わったからもう愛せないと思っているうちは、本当の恋じゃないのかもしれませんね。

【是枝裕和監督の映画に出演できたらうれしい】

ハン・ヒョジュさんは、嵐の相葉雅紀さんと共演した『MIRACLE デビクロくんの恋と魔法』(2014年)で日本映画にも出演しています。そこで今後、日本映画に出演する予定や、一緒にお仕事したい監督や俳優さんについて聞いてみました。

「もちろん機会があればまた挑戦したいです! 一緒にお仕事したい人は……『そして父になる』の是枝裕和監督。素晴らしい映画でしたし、大好きな監督さんなので、ぜひお仕事したいです。俳優さんでは福山雅治さん。あと私は蒼井優さんも好きなので、共演できたらうれしいです」

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インタビュー中、終始朗らかで、日本語も交えて一生懸命話してくれたハン・ヒョジュさんは、映画のイスと同じようにやさしい人! ハン・ヒョジュさんのふんわりした上品な魅力が、このラブファンタジーの世界をいっそう美しく輝かせている映画『ビューティー・インサイド』。ぜひスクリーンでその美と愛の物語を楽しんでください。

取材・執筆=斎藤 香(c)Pouch
撮影=髙橋明宏

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『ビューティー・インサイド』
(2016年1月22日より、TOHOシネマズ新宿、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開)
監督:ペク
出演:ハン・ヒョジュ、パク・ソジュン、上野樹里ほか
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▼『ビューティー・インサイド』予告編