年末までは暖冬かとおもいきや、急に寒くなってきましたね。雪がちらつくような日は、立ち寄ったコンビニのレジ前で湯気を立てているおでんに、ついついお呼ばれしたくなります。
そのコンビニのおでんを見ていて気がついたのですが、おでんの具材って、練り物がメインで野菜が少ないですよね? 唯一、堂々としているのは大根くらいなもの。大根の独占状態です。日本にはたくさん野菜があるのですから、おでんに入れてもいい野菜がもっとあってもよさそうではありませんか?
そこで、おでんにしてもイケる野菜を探してみることにしました。せっかくなので、思い切って全部野菜だけのおでんを作っちゃおう! そして温まろう!
【おでんに合いそうな野菜はこれだ!】
その足でスーパーに参りまして、野菜売り場をぐるりと一周して物色。
定番の大根を筆頭に、ニンジン、れんこん、ごぼう、長ネギ、カリフラワー、ブロッコリーの芯、パプリカ、プチトマト、しいたけ、にんじん、白菜、キャベツ、ヤングコーン、チンゲンサイと、15種類を調達しました。
これら15種類を、火が通りにくい根菜と、通りやすいきのこ・葉物に分けます。
【まずは根菜類の下ごしらえ】
ごぼうやにんじんなど、根菜類を切って水から茹でます。火の通りやすさにはそれぞれ差があるのですが、面倒なので一気に茹でました。ごぼうやれんこんはアクがでるので、気になる方は別茹でしてください。
記者は全くもって気にならないので一緒に放り込みました。ついでに白だしをドボドボ入れて、最初から味もつけてしまいます。
火が通りやすいものはあとで投入するので、根菜を茹でている間にカットしましょう。
【野菜を串に刺していく】
白菜とキャベツは一枚ずつ巻いて串に刺します。今回のコンセプトは「野菜だけのおでん」ですので、あえてタネを入れずに葉っぱだけ! さっと茹でるかレンジで加熱して、柔らかくしてから巻きましょう。時間があれば、しんなりするまで干してもいいですよ。柔らかくなるうえ、水分が抜けて味が濃くなります。
他の野菜もカットして串に刺していきます。しいたけの軸の串刺しは、牛スジみたいに見えないこともないです。
串にささった野菜たちを見ていると、このまま串揚げにしてもよさそうな気分になってきます。
【どんどん、串に刺していく】
茹で上がった根菜たちも串刺しにしましょう。串に刺すことに特に意味はないのですが、ただ楽しそうなので刺してみました。長ネギはちょっと焼いてからイカダに。完全に串焼きか串揚げの気分になりますが、今日はガマンです。
【具材を煮る】
大きめのお鍋にスープを沸かして野菜おでんの具材たちをどんどん投入!
――したのですが、この串がたいへんに邪魔でして、カオスな状態に。野菜が柔らかくなるにつれて、串がスポスポ抜けていきますので、腹すら立ってきます。
それでもなんとか茹で上げました。ニンジンやトマトの赤と、パプリカの黄色、透き通ったスープがきれいです。
結局、邪魔すぎて串は全部抜いちゃいました。もうやだ、ばかみたい。
【完成!】
いざ実食。串を抜いた穴が開いているのは見なかったことにするとして、色が鮮やかなものがあるときれいです。気になるお味は、ゴボウやれんこんといった根菜類、ヤングコーン、きのこがおいしいです! これは、コンビニおでんにも採用してほしい!
残念ながらヤングコーンは長く加熱していると柔らかくなりすぎるので現実的ではないかもしれませんが、根菜は素材そのものの味が濃いですし、きのこはお出汁を吸ってどんどんおいしくなるはずです! 根菜以外の野菜も、その場で食べるなら問題なし! 野菜のポテンシャルは、おでんでも発揮されるのです。
【残念なお知らせ】
ただ、食べ進めていくうちに、ひとつだけ残念なことに気がつきました。それをお伝えしなければなりません。
――野菜だけのおでんは、食べた気がしません。お腹はいっぱいになるし、体も温まるのに、脳が満足しないのです。おでんの醍醐味って、練り物の甘みが溶けこんだ出汁なんですよね。箸を入れると、表面がふんわりはがれるくらいに煮込まれた練り物があってこそ、おでんを味わった気になるというものです。野菜だけのおでんは、おでんにはあらず。物足りなさすぎて、後でラーメンを食べる羽目になりました。
とはいいましても、いつものおでんに野菜を数品追加するくらいなら、可能ですよね。
夕飯をおでんにしようかな? とお考えの皆様、コンビニ各社の開発担当の皆様、冬はまだまだこれからです。今からでも遅くはありません。ぜひぜひ、おでんの具に野菜を追加することをご検討くださいませ。くれぐれも、全部野菜にしたり、串刺しにしたりされないよう。
執筆・撮影=綾部 綾 (c)Pouch
▼ イラストみたいなおでん串を、野菜だけでつくってみました
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