「くまにちコム」ウェブサイトによると、熊本地震の発生後、車中泊していた熊本市の50代女性が「エコノミークラス症候群」で亡くなったことが判明。また、少なくとも16人が同市内の医療機関に救急搬送されたとのこと。搬送された患者のほとんどは、避難のため車中泊していたといいます。
思い起こせば東日本大震災のときにも、この症状で苦しんでいた被災者がたくさんいたように記者は思います。そもそも「エコノミークラス症候群」とはどういうものなのでしょうか?
【血栓が出来ることによって起こる】
「大塚製薬」ウェブサイトによれば、下肢が圧迫されてうっ血状態となり、血栓が生じることにより発症。また血栓が肺に詰まってしまうことを「肺塞栓症」といい、この2つを合わせて「エコノミークラス症候群(旅行者血栓症)」というのだそうです。
【こんな症状が出たらすぐに病院へ!】
「エコノミークラス症候群」という名前から感じる印象から “飛行機に乗った際にのみ起こりうる症状” と思われがちですが、実は長時間の電車移動や、オフィスでのデスクワークなども原因のひとつになるのだそう。
災害時の緊急避難時だけでなく、長時間同じ姿勢をとっているときや、車中の寝泊まりなどを行った後などに、「歩行時の呼吸困難や胸の痛み」「一時的な意識消失」「片側の足のむくみ」などが出現したら、早急に医療機関へ受診することが必要です。
【予防をすることが大切】
症状の発症はできるかぎり避けたい。でも、一体どうしたらいいのでしょう。
兵庫県立大学看護学部が運営し、災害時の看護ケアの知識を提供している「災害看護 ケアの泉」。このウェブサイトに公開されている予防法を参考に、対策をとってみてください。
その1:こまめな水分摂取を
脱水を起こさないようにするため。また、血液が固まらないようにするため。物資があまり十分でない中、大変だと思いますが……。
その2:定期的に身体を動かす
狭い空間で長時間、同じ姿勢でいるのが原因となるため、定期的に身体を動かすことが大切。
その3:足を上げて寝る
可能であれば車のシートを倒したり、足を伸ばせるよう工夫してください。
その4:ストレッチやマッサージを行う
歩行、さらには足首の曲げ伸ばし運動や、かかとの上げ下ろしを行ったり、ふくらはぎのマッサージを行うこと。また、むくみをケアするストッキングの着用も有効とのことです。
【動画を参考にレッツ・ストレッチ!】
ストレッチの参考になるのは、東日本大震災の際にkuriyama4113さんがYouTubeに投稿した「ストレッチ運動」の動画。体力に自信のない人でもできる簡単な運動が紹介されています。ぜひお試しあれ。また、watayogaさんのエコノミークラス症候群を解消するためのヨガ動画もおススメです。
できることからまず、始めてみてくださいね。
参照元:くまにちコム、大塚製薬、災害看護 ケアの泉
執筆=田端あんじ (c)Pouch
▼ストレッチ運動の動画です
▼ ヨガの動画です
https://www.youtube.com/watch?v=D–w-dmos3U
▼厚生労働省も注意喚起と資料を告知しています
【熊本地震関連:エコノミークラス症候群に注意ください】
避難生活中、車内で寝泊まりするなど、長時間足を動かさずに同じ姿勢でいると、静脈に血の固まりができ、この固まりが肺の血管を閉塞してしまうことで命の危険を生じる可能性があります。(続く)— 厚生労働省 (@MHLWitter) April 19, 2016
(続き)エコノミークラス症候群の予防には、長時間同じ姿勢でいることを避け、足を動かす運動をして、適度な水分を取ってください。歩行時の息切れ、胸の痛み、片側の足のむくみや痛みなどの症状が出た場合、すぐに医療機関を受診してください。→https://t.co/HVaJ1VWarf
— 厚生労働省 (@MHLWitter) April 19, 2016
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