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ファンもいればアンチもいる。

それがスターの宿命というべきものですが、アメリカのバスケットプレーヤー、コービー・ブライアントにおいてはその傾向が特に顕著だった選手。

今回YouTubeからご紹介するのは「NIKE JAPAN」が公開した「The Conductor(ザ・コンダクター)」という動画。先日、引退試合を終えたばかりのコービー。彼がコートから立ち去るときのライバルやファンの思いを描いた内容となっています。

【観衆たちの指揮者となるコービー】

現役最後の試合、対ブルズ戦で華麗にゴールを決めるコービー。そこに観客たちから「帰れ! 帰れ!」といったヤジが飛びまくります。その様子に耳を傾けていたコービーですが、舞台は突如暗転。

そしてコービーがコートの真ん中でひとり、動画のタイトルどおりコンダクター(指揮者)となって、観客たちの思いを引き出します。

ある者は「お前なんて大キライさ」と歌い、ある者は「どんどん目障りになって」と歌う。次第にその声は大きくなり、観衆だけでなく解説者もチアリーダーたちもブルズのマスコットも会場にいる全員が「キライ! マジで大っキライ!!」と声高に歌います。

コービーは好き嫌いがわかれる選手……というかアンチが多い選手として知られますが、だからといってこれはちょっとかわいそうになってくる……!! 自分だったら心折れて死にそう。

【「キライ」に隠された本音】

でもね、動画を観ているとじんわりあたたかな気持ちになってくるから不思議! みんな「ずっとキライでいたいよ」「ずっと大キライでいたかったのに」って……そこには「でももうこれで見納めなんだな」という思いが痛いぐらいに伝わってくるのです。

キャラクター、プレースタイル、スキャンダル……コービーを嫌いになる要素はあるけれど、彼が20年の現役生活で多大な貢献をしたり、多くの人たちに感動を与えたことはまぎれもない事実。嫌いだと歌いながらも「コービーがいなくなって残念だ」という本音がにじみ出ている動画は、観る皆さんの心も打つことでしょう。

参照元:YouTube(NIKE JAPAN
執筆=鷺ノ宮やよい (c) Pouch

▼動画「The Conductor(ザ・コンダクター)