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私たちが日々持ち歩いている携帯電話には、個人情報がめいっぱい詰まっています。

メール、画像データ、動画、アドレス、SNS。持ち主がどんな人で、どんなつながりがあって、どのような嗜好や思想を持っているのか、手に取るようにわかる。これがもし盗まれたとしたら……想像しただけでゾッとしますよね。

日本では携帯電話の盗難はさほど多くないようですが、海外ではかなり頻発している様子。そんな状況から、1本の驚くべきドキュメントムービーが生まれました。20分あまりの秀逸な動画、必見です!

【携帯ドロボーがどんなヤツか知りたい!】

オランダの映像学校生徒・アンソニー(Anthony van der Meer)さんが制作、YouTubeに投稿したショートムービー『Find my Phone』は、追跡アプリを装備した携帯電話をあえて泥棒に盗ませて、その後を追跡したドキュメント作品。全編に英語字幕がついています。

きっかけは「ランチの最中にiPhoneを盗まれた」という実体験。盗まれたことより、携帯内の個人情報に赤の他人がアクセスすることのほうが不快……でもそれ以上に、むくむくと湧いてきて抑えきれなくなってきたのは好奇心!

「一体どんな人が盗んだのだろう。そして携帯電話は、盗まれた後どうなるのだろうか?」などと考え始めてしまい、最終的にはおとり用の電話を用意。遠隔操作で撮影や録音ができるよう細工をして、4日間ものあいだ、盗まれるのをひたすら待ったのだそうです。

【 “泥棒” はどんな人物なのか?】

おとり用の携帯電話がようやく盗まれたのは、アムステルダムの地下鉄。

ラッキーなことに “泥棒” が携帯電話の電源をつけっぱなしにしていたため、すぐに追跡を開始。しかししばらくすると電源がオフになり、その後4日間、なんの音沙汰もなくなってしまいます。

あきらめかけた瞬間、「SIMカードが挿入されました」という報告が! それと同時に、再び電源がオンに。どんな人間が携帯電話を持っていったのか知るために、位置情報から行動パターンを調査。加えて遠隔操作で写真や音声をとることで、次のような人物像がうかびあがってきます。

・40歳から45歳くらいの男性。
・短髪黒髪、外国人のような風貌で肌はやや黒い。
・エジプト方言のアラビア語を用いていること、しょっちゅうエジプトに電話をかけていることから、エジプト人であると予測。
・エッチなサイトをひんぱんに利用している。
・「ミス・ロシア」という女性とよく連絡を取り合っている(ちなみに、どうやらヤバい女性)。
・基本的に夜はホームレス宿泊所で過ごしている。たまに友人の家に泊まることも。
・バス代すらなく、歩くこともあるよう。貧乏なのかも?
・寂しく、孤独な人物であるらしい。
・宗教には熱心であり、その姿勢は真面目。

【だんだん同情するように…そしてついに本人と対面】

“泥棒” がどんな人物なのか知っていくごとに、根っからの悪人には思えなくなっていったと、アンソニーさんは動画内で語っています。むしろ気の毒だとさえ思っていた、と言いながら、こっそり携帯代を補充してあげちゃったりも。

追跡を始めて2週間、オフラインになったことをきっかけに、間違い電話を装って “泥棒” に電話をかけたアンソニーさん。後に、 “泥棒” がいるであろう家に目星をつけをカメラをセットしていたところ、タイミングよく家の中から本人が出てきてしまいます。

【思っていた人物とは違っていた!】

目もばっちり合ってしまって大ピンチ、しかし結局は何事も起こらなかったようなのですが……。

実際に目の当たりにした “泥棒” は、想像していた「哀しく心優しい男」なんかではなかった! そこにいたのは、攻撃的で、体全体から薬物の香りを漂わせる男。

なにもかも知ったような気になっていたけれど、自分は男のことをなにひとつわかっていなかった。カメラを急いで片付け、その場から逃げだすアンソニーさんでした。

【超絶面白くもあり、心底怖くもある】

映画のような展開に、終始ハラハラドキドキ。つい最後まで観てしまう吸引力に感服。

しかしそれと同時に、携帯電話とアプリによる遠隔操作だけでここまで個人情報をつまびらかにされてしまうことに背筋がヒヤッとしたのも事実です。実際にどんな人なのかは会ってみないことにはわからないけれど、行動は何から何まで筒抜けだったわけですし。

はー、見ごたえあったわー。みなさんも、ぜひご覧になってみてくださいっ。

参照元:YouTube
執筆=田端あんじ (c)Pouch

▼日本語字幕設定できる場合もあるようなのでお試しあれ