【最新シネマ批評】
映画ライター斎藤香が最新映画のなかから、オススメ作品をひとつ厳選して、レビューをします。
今回ピックアップするのは、大阪のUSJでも大人気のキャラクター、ミニオンが大活躍するイルミネーション・エンターテインメントの最新作『怪盗グルーのミニオン大脱走』(2017年7月21日公開)です。
ユニバーサル・スタジオとイルミネーション・エンターテインメントによる『怪盗グルー』のシリーズは、本作で3作目。2作目と本作の間にスピンオフの『ミニオンズ』がありますが、みなさん、勘違いしないでくださいね。もともと、このシリーズの主役はグルーであり、ミニオンはグルーの周りでワヤワヤやっている黄色い可愛いヤツみたいな存在だったんですよ。それがも~主役級の大人気! では物語からいってみましょう。
【物語】
元天才子役のバルタザール(声:トレイ・パーカー)は、思春期を乗り越えられず、人気は低迷。今はハリウッドに恨みを持った悪党に成り下がっていました。彼は自分が開発したバブルガム弾を武器に、世界最高のダイヤモンドを盗むことに成功!
一方グルー(声:スティーヴ・カレル)はルーシー(クリステン・ウィグ)、三姉妹とともに仲よく暮らしています。もはや悪党の影がなく善人になったグルーは、反悪党同盟としてバルタザールを追いかけていました。
そんなグルーに不満なのがミニオンたち。悪党のボスだからこそ、今までついてきたのに、いい人になったグルーに用はない! と、なんと全員でグルーの家から大脱走してしまうのです。
【グルーの双子の兄弟が登場!】
『怪盗グルーのミニオン大脱走』には新キャラが登場します。なんとグルーの双子の兄弟ドルーです。顔はそっくりですが、ツルツル頭のグルーとは正反対にフサフサの髪、そして貧乏なグルーとは正反対に大金持ち!
しかし、ドルーは小心者で、父親が求めていた悪党らしさは皆無。父の悪の血を継いでいたのはグルーだったのです。お互いにないものを補いあっているグルーとドルーの新コンビにワクワク、ドルーのドンくささに「おいおい」と突っ込みながらハラハラという感じです。
バルタザールは完全なる中二病オヤジ。大人になりきれず、80年代ダンスミュージックでステップを踏む、しょーもないけど面白い悪党で、かつ、なかなか強敵です。また全編に流れる80年代ミュージックは、アラフォー以上の世代には懐かしく、若い世代は逆に新鮮かも。マイケル・ジャクソン、ヴァン・ヘイレン、a-haなど、バルタザールじゃなくてもノリノリに!
【ミニオンたちの大脱走が笑いのポイント】
そしてみんなが大好きなミニオンたちは、脱走したものの、あいかわらず無計画な行動で珍道中になります。歌のオーディションに乱入したり、塀の中のミニオンになったり、海辺に落下してバカンスしたり、あのルックスですから何をやってもかわいい~! Tバックのおしり、フォーメーションダンスなど、しっかり期待に応えてくれますよ。
今回はグルーと別行動になるので、ちょっと見所が分かれた感がありますが、もともとミニオンは、いつも本筋からは逸脱したところでワヤワヤやっているキャラなので「ま、いっか」という感じです。
【イルミネーション絶好調!】
ディズニー、ピクサー、ジブリに続けと、イルミネーション・エンターテインメントは大躍進! 2016年は『ペット』、2017年には『SING/シング』が日本で大ヒット。そして今夏は、イルミネーションで一番人気であろう『怪盗グルーのミニオン大脱走』が登場!
何を言っているのかわからないながらも、ちょいちょい毒を吐いているような感じのワルかわいいミニオン。大人も子供も楽しめる作品なので、デートもあり、女子同士もありです! この夏『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』のジャック・スパロウの最大のライバルは、ミニオンかもしれません。
執筆=斎藤 香 (c) Pouch
『怪盗グルーのミニオン大脱走』
(2017年7月21日より、TOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国ロードショー)
監督:ピエール・コフィン、カイル・バルダ
声の出演:スティーヴ・カレル、クリステン・ウィグ、トレイ・パーカー、ミランダ・コスグローヴほか
日本語吹替え版:笑福亭鶴瓶、芦田愛菜、中島美嘉、松山ケンイチ、いとうあさこ、山寺宏一、宮野真守、生瀬勝久ほか
(C)Universal Studios
▼映画『怪盗グルーのミニオン大脱走』予告編
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