たとえば「開け、ゴマ!」なんて呪文を口にしただけで、それまで見えなかったドアや入り口が現れる。そんなの、童話や映画などフィクションの世界だけのこと。
でも、イギリスのSesame Access Systems社が開発した「インビジブル リフト(Invisible Lift:目に見えないリフトの意)」は、まさしくこれを現実のものとしてくれるシステムなんです。
車いす用の方、足腰の弱い方などのためのリフトである、「インビジブル リフト」。「見えない」という名前のとおり、階段の中に組み込まれていて一見しただけではその存在がわかりません。
【階段が引っ込んだと思ったら…!!!】
しかしひとたび稼動させると、階段がグイーンと奥へ引っ込んでいって、あっという間に “平らな壁” のような状態に。するとその “階段が引っ込んだ場所” の “下” からリフトが現れて、上階へと運んでくれるという仕組みになっているんです。
【歴史的建造物にも取り入れられています】
「インビジブルリフト」はすでにイギリス各地に設置されていて、その様子はホームぺージおよびYouTubeからチェックすることが可能。
興味深いのは、新しい建物だけでなく歴史的建造物にも取り入れられていること。古いものだと1734年にロンドンに建てられたイングランド銀行にも設置されているといいます。
そのほかにも300年以上前に建てられたイギリスの省庁だったり、アイルランド・クノックにある大聖堂だったりと、設置先としてラインナップされている建物は個性豊か。
無骨な石段が多い中、大聖堂の祭壇へ向かう階段は円形の大理石でできており、設計やデザイン面で苦労を重ねた旨が公式サイトに書かれていました。
【目的・機能性・デザイン性ともに◎】
車椅子だから、あるいは足腰が弱いから、段を登れなかった。そうしたことを地球上からなくすために作られたインビジブル・リフト。しかもデザインは美しく、使わないときは消えてしまうかのように格納されるという、なんとも素晴らしいプロダクトです。
そのねらいと動きの斬新さに、ちょっぴり未来感を感じてしまったのでした。これだけ実用化されているのですから、日本にも取り入れられるといいですね!
参照元:Sesame Access Systems、YouTube
執筆=田端あんじ (c)Pouch
▼とってもスマート
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