シニア女性誌『ハルメク』を発行する株式会社ハルメクが55~84歳のシニア女性311名を対象に行った、「祖母と孫の関係」という調査において、ちょっと意外な事実が浮かび上がってきました。

91.8%にあたる179人が、孫との関係に「とても満足」「やや満足」と回答している一方で、今後の孫とのコミュニケーション頻度を増やしたいかどうかについては「どちらでもない」「減らしたい」=増やしたくない、と回答している人が68.7%(134人)もいることが判明したんです。

【孫に会いたい思いは年齢によって移り変わる!?】

興味深いことに、孫の年齢によって「会いたい」と思う最適な頻度は移り変わるのだそう。

「孫が可愛い! もっと会いたい!」と思うのは「乳・幼児まで」で、孫との関係性が変化する節目になる年齢は「5歳」と「11歳」

小学校と中学校の入学直前になると「孫に会いたい」という意向がガクッと下がる傾向にあるんですね。孫の生活が変わるタイミングに差しかかって、遠慮している部分が大きいということかもしれません。

【孫離れの要因は大きく分けて6つ】

そしてもっとも注目したいのは、自由回答によって明らかになったおばあちゃんたちが “孫離れ” する6つの要因です。挙げられていたのは、

・子供世代への遠慮
・自分の体力の心配
・自分の時間が制限される
・過干渉の自粛意識
・孫のおばあちゃん離れ
・受験のタイミング

といった項目。孫自身の意思や事情を尊重して、というのも大きな要因ですが、「自分の体力の心配」や「自分の時間が制限される」など、おばあちゃん側が主体の要因もあるようです。

寄せられていたのは、「(孫が)可愛いくても体力がついていかない。しんどい」「(孫は)ガラス越しに見て楽しい存在」という言葉 。会いたい気持ちはあっても、あまり頻繁に関わりを持つと、孫たちが帰った後にどっと疲れてしまうのかもしれません。

【「遠慮」「自粛」という表現に気遣いを感じます】

また一方で「子供世代への遠慮」という意見には、孫ではなく親=自分たちの子どもへの配慮が見て取れます。

「両親の考えと本人の意思を尊重するために多少の距離が必要と考えている」
「親の子どもなので、祖母の自由にはならない」

といった声が集まっていて、こういった意識があるかないかで、親世代と祖父母世代との関係性も大きく変わってくるような気がしたのでした。

【孫は来てよし、帰ってよし】

「孫は来てよし、帰ってよし」という言葉がありますが、それがかなり現実を反映したものであると証明しているかのような今回の調査。

幼稚園や小学校に上がるまで毎日べったりだった孫から離れて、ようやく自分の時間を持てるようになった。体力的・精神的に健全であるために、ちゃんと自分を大事にしたい――。孫か可愛くても、「おばあちゃん」であっても、自立したひとりの女性でありたいというシニア世代の思いがうかがえたような気がします。

どんな関係性においても、やっぱりいちばん大切なのは “適度な距離感” なのかもしれませんね。

参照元:プレスリリース
画像:ぱくたそ
執筆=田端あんじ (c)Pouch