【最新公開シネマ批評】
映画ライター斎藤香が現在公開中の映画のなかから、オススメ作品をひとつ厳選して、ネタバレありの本音レビューをします。
今回ピックアップするのはディズニーアニメ映画『シュガー・ラッシュ:オンライン』(2018年12月21日公開)。前作『シュガー・ラッシュ』の続編で、アーケード・ゲームの住人だったゲームキャラ、ヴァネロペとラルフが、インターネットの世界へ冒険の旅にと出かけるのです。ワタクシ、試写で見せていただきましたが、最高でした~! ワクワクドキドキが止まらない大傑作だったのです!
【物語】
アーケード・ゲームの世界で暮らすヴァネロペとラルフ。ヴァネロペはレースゲーム「シュガー・ラッシュ」の敏腕レーサーでプリンセス、ラルフは「フィックス・イット・フェリックス」の悪役キャラクター。2人はとても仲よしです。
ある日「シュガー・ラッシュ」のハンドルが壊れ、ゲームは廃棄寸前に! しかし、インターネットでハンドルが手に入ることを知ったふたりは、ネットの世界へ。ハンドルを手に入れて早くアーケードの世界に帰りたいラルフですが、ヴァネロペは超過激なレースゲーム「スローターレース」と出会い、どんどん夢中になっていくのです……。
【インターネットの世界のヴィジュアルがすごすぎる!】
よく、続編は第1作目を超えないと言われますが、本作は当てはまりません。完全にグレードアップした『シュガー・ラッシュ』を見せてくれるからです!
とにかく驚いたのは、ヴァネロペとラルフが潜り込んだインターネットの世界の描写。
そこでは、アーケード・ゲームの世界同様に、さまざまな住人たちによって、ネット社会が築かれています。ヴィジュアルはカラフルでポップ。GoogleやAmazonなどの実在するウェブサイトの数々が登場し、ネット世界の地下には恐怖のウィルスが潜んでおり、ドキドキさせてくれます。
【新レースゲームは超危険だけど、ヴァネロペ興奮!】
また、ヴァネロペが夢中になる過激レースゲーム「スローターレース」の世界もすごい。荒廃した街でコース制限のない危険なレースを展開するゲームで、主役は、荒くれ者のレーサー集団を束ねる女性レーサーのシャンク。
ヴァネロペが元いた「シュガー・ラッシュ」はあま~いお菓子の世界を舞台にしたアーケードゲーム。「スローターレース」はこれと対極にあるようなゲームだけど、レースシーンのスピード感とスリルはたまりません! この過激さにヴァネロペは夢中になってしまうのです。
【ディズニープリンセスたちが結集!】
もうひとつ大興奮させるのは、ディズニープリンセスの総登場シーン。ヴァネロペも一応プリンセスだけど、ドレスを着ていないし、王子様を待ってるわけでもないから「あなた本当にプリンセスなの?」と言われたりして。
私は日本語吹き替え版で本作を見たのですが、エルサ(松たか子)、アナ(神田沙也加)、ラプンツェル(中川翔子)、メリダ(大島優子)と、各映画の日本語吹き替え版で声を担当したメンバーが、この映画で再結集していることにも感動しました!
【ヴァネロペとラルフ、ふたりの友情が試されてます】
ハンドルを手に入れて、早くアーケードゲームの世界に戻りたいと思っているラルフ。それとは反対に、新たな刺激を求めるヴァネロペの気持ちはアーケードとネットの間を揺れています。
そのことに気づいたラルフは、ネットの世界でとんでもない事態を引き起こすのです。ふたりの関係性も含めて、いろいろと予想外の展開で1秒も目を離せません。
前作のキャラクターを今の時代にフィットしたネットの世界に飛び込ませて、キャラクターの成長と新たな道を与えた本作。本当に素晴らしい続編! カップル、女子同士で鑑賞しもいいし、冬休みに子供を連れて行くのもOKの傑作アニメです。
執筆=斎藤 香 (c)pouch
『シュガー・ラッシュ:オンライン』
(2018年12月21日(金) 全国公開)
監督:リッチ・ムーア&フィル・ジョンストン
声の出演:ジョン・C・ライリー、サラ・シルヴァーマン、ガル・ガドット、タラジ・P・ヘンソン、アラン・デュディック
日本語吹き替え版:山寺宏一、諸星すみれ、菜々緒、中川翔子、大島優子、松たか子、神田沙也加、屋比久知奈ほか
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