ふつうは掛け軸などでしか目にすることのない「曼荼羅(マンダラ)」。それをデジタルアートで表現しようというユニークな試みが、京都の真言宗総本山 教王護国寺(きょうおうごこくじ / 東寺)でおこなわれています。
2019年4月1日から開催されている体験型アートイベント「東寺 曼荼羅EXHIBITION」では、通常は非公開の重要文化財「灌頂院(かんぢょういん)」を特別公開。
「灌頂院」の本堂内で、重要文化財「両界曼荼羅図(元禄本)」(りょうがいまんだらず・げんろくぼん)を、VR・AR技術を活用したデジタル曼荼羅インスタレーションとして楽しめるようになっているんです!
……と、文字にしてしまうとちょっとこむずかしいけれど、要するに文化財+アートの神秘的な体験ができるということ。こんな機会、めったにないかも!
【灌頂院のデジタル曼荼羅インスタレーション】
東寺伽藍(がらん)内の「灌頂院」と「観智院(かんちいん)」「講堂」の3か所で開催される本イベント。
まず「灌頂院」本堂内でおこなわれるのは、デジタル曼荼羅インスタレーション『空海ノ光 テクノロジーと神秘』。
重要文化財「両界曼荼羅図(元禄本)」と講堂に安置されている「立体曼荼羅」を組み合わせた映像をプロジェクタで壁面へ投影、光と反射の空間作品を創り出すアート集団「ミラーボーラー」によって、曼荼羅の世界観が表現されるといいます。
さらに今回の展示のために、踊絵師の神田さおり氏が制作したという光の作品を、手持ちのデバイスにダウンロードした専用アプリ「東寺AR」を通して鑑賞することができるそう。
本堂内のプロジェクションと光の演出、バーチャル空間に描かれた作品が融合した奥深い世界が広がっています。
【観智院での映像上映】
国宝「観智院 客殿」では、東寺所蔵の伝宮本武蔵筆「鷲の図」を活用した映像『飛翔鷲図』を上映。観智院客殿障壁画「鷲の図」「竹林の図」は若き宮本武蔵が観智院に3年間こもっていた際に描いたとされている、貴重なものです。
今にも飛び立ちそうな躍動感あふれる「鷲の図」が、現代の技術で空高く飛翔するとのこと。うーん、こちらも観てみたい……!
【講堂ではVR作品『空海 祈りの形』】
「講堂」内では、立体曼荼羅をVRで再現したVR作品『空海 祈りの形』の映像を公開。
これは東京国立博物館内「TNM & TOPPAN ミュージアムシアター」で3月27日から公開している映像のダイジェスト版だそう。講堂内の仏像が東京での特別展出展中のあいだ、VR作品で立体曼荼羅の魅力を味わえるというわけです。
【神秘的な世界観を体験して】
「東寺 曼荼羅EXHIBITION」は5月25日までの開催。灌頂院、観智院、講堂それぞれ見学時間や拝観料など異なりますので、詳細は参照元でご確認ください。
混んでいることは予想できますが、それでも行きたい魅力にあふれた本イベント。曼荼羅とテクノロジーが融合した神秘の世界観に皆さんもぜひ酔いしれて。
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