大人になったら行きつけのバーのひとつやふたつ、できてるものだと思ってました。もはやひとりカフェもひとり焼き肉も平気ですが、あまりお酒を飲まないこともあって、バーに入るのだけは敷居が高い……。
そんな中、複数客お断りで、おひとり様しか入れないバーがあるという情報をキャッチしました。これは行ってみるしかない……。
毎月1のつく日(1日、11日、21日だけ)は、ぼっちの可能性を探るべく、Pouch編集部員が奮闘する「ステキなぼっちの日」。
というわけで、今回はひとりぼっち限定バーに潜入です。
【ドキドキしながら重い木の扉を開ける】
お店があるのは新宿の繁華街。スナックや飲食店が雑居ビルの上の方のフロアに入っているよう。私は人見知りだし、お酒も詳しくないのに、ひとりでバーなんか入って大丈夫なのかと、エレベーターに乗っている間も緊張……。
お店の前に着くと、木の扉に看板があり、たしかに「お一人様限定」と書いてます。中の様子が見えないのでドキドキしますが、意を決してドアをオープン!
【思いのほかアットホームな雰囲気】
カウンターには5〜6人のお客さんが並び、なにやら親しげに談笑していました。ひとりで来てるはずなのに、まるでみんな昔からの友達同士のよう……。
「こんばんは、こちらの席どうぞ」と店の人に声をかけられ、奥の席に。
とりあえずお酒を注文しますが、自分からまわりの人に話しかけるものなの……? それとも話しかけられるまで待つべき? と作法が分からず悶々としていると……。
緊張した私の空気を察したのか、お店の人がお酒を出しながら、
「はじめてですよね?どうやってこのお店知ったんですか?」
と話しかけてくれました。カウンターにいる他のお客さんもそれに反応して声をかけてくれて、なんとなく会話が始まってちょっと安心。
どうやら、誰かが来たら一緒に話す……という空気感ができあがってるようです。みんな優しい。
【おひとり様バーに来る人の気持ちとは】
最初のほうこそ相槌ひとつ打つのも緊張していた私ですが、お酒が進むうちに緊張もとけてきて、自然に会話できるように。これまでの孤独なぼっち企画とは段違いに、知らない人とコミュニケーションを取ってます。
一見さんもいるけど、ひとりで通っている常連さんも多いみたい。他のバーではなく、この店に通う理由が気になったので聞いてみました。
「ここはひとりだけど、ひとりじゃないからちょうどいいんだよね。色んな人と話せるし」
「他のバーで女の人に話しかけたりすると『口説いてる?』みたいな空気になるけど、ここは自然と会話できるから気楽」
「他のバーにも行くけど、上司と部下の二人組が来ると説教とか始まって、隣で聞いてるだけでキツイことも多い。ここはひとり限定でそういうのがないから」
なるほど……。ひとり客しか来ないからこその良さがこのお店にあるんですねぇ。
【知らない人と他愛ない話をする心地よさ】
誰かと飲みにに行っても、一緒に来た人とだけ話して他の人とは話さないことも多いけど、ここはみんなひとりだからこそ、知らない人同士で会話ができる場所でした。
不思議だったのは、次の日にどんな会話をしたかハッキリと思いだせないのに、なんとなく楽しかったな〜という気持ちだけが残ったことです。よくひとりで飲みに行く友達に「バーでどんな話してるの?」と聞いても「うーん、べつに大した話はしないよ」って言ってたけど、こういうことか……。
ひとり飲みデビューがしたいとき。家族でも友達でも職場の人でもない、自分のことを知らない誰かと話したいとき。なんだかひとりが寂しいときに「お一人様限定バー」に行ってみるといいかもしれません。
ぼっち度 ★★
人と話せる度 ★★★★★★★
オトナ度 ★★★★★★★
参考リンク:お一人様限定バー BARひとり
執筆:御花畑マリコ (c)Pouch
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