
【最新公開シネマ批評】
映画ライター斎藤香が現在公開中の映画のなかから、オススメ作品をひとつ厳選して、ネタバレありの本音レビューをします。
今回ピックアップするのは、大泉洋主演映画『騙し絵の牙』(2021年3月26日公開)です。
大泉さんをあて書きした同名原作の映画化。俳優・大泉洋の魅力をたっぷり堪能できる作品になっています。本当に楽しかった! では物語からいってみましょう。
【物語】
出版不況の中、大手出版社・薫風社(くんぷうしゃ)も苦境に立たされていました。
そんな中、カルチャー誌「トリニティ」の新任編集長・速水(大泉洋)は、人気モデル(池田エライザ)や才能ある新人作家(宮沢氷魚)の大胆な企画を立ち上げ、文学界の大御所(國村隼)を口説き、行方知れずのベストセラー作家を探し出して書かせようと、攻めの姿勢で斬新な企画を繰り出していきます。
速水の秘策のために走らされるのは、文芸誌から引き抜いた新人編集者の高野(松岡茉優)。しかし、その先にはある計画が……。
【出版エンタテイメント映画誕生】
面白かったですね~! 出版の世界を見てきたた者としては、出版社の役員たちの権力争いや企画会議の様子など、あるあるな出来事がさまざまあってニヤニヤしてしまいました。
これをオールスターキャストで作り上げたことが素晴らしい。フィクションとはいえ、出版業界の面白要素やブラックな一面をギュっと凝縮した感がありました。
大泉さんが演じる速水にとって面白い企画とは、周囲がドン引きしたり、飽きれたりする企画で、前例のないことに可能性を見出しているんです。
「こういう編集者いるいる!」名物編集者ってこういうタイプが多いと思います。
【大泉&松岡の上司と部下のバディ感】
松岡茉優さんが演じる高野は、速水とは違って正統派の編集者。
文芸誌から異動になったときはショックを受けていたけれど、いつのまにか文芸誌時代よりもイキイキと仕事をするようになります。
高野は、歴史ある文芸誌で埋もれそうになっていた編集者としての情熱を、速水の無茶ぶりに対応しながら、トリニティで開花させるのです。この速水&高野の上司と部下の関係がいいバディ感! 二人がこの映画をしっかり牽引しています。
【騙されても気持ちいい!】
でもその関係が後半、急展開していきます。何が起こるかは映画を見ていただきたいのですが、なにしろ『騙し絵の牙』というタイトル通り、登場人物がお互いを騙します。
あの作家の正体は? 大御所作家のとんでもない企画とは? 人気モデルの裏の顔って?
など、後半、二転三転していく物語に騙されながらも、決して嫌な気持ちにはならないところが本作の魅力。
それは、速水が薫風社の権力に巻き込まれず、スルリとかわし、裏をかいていくから。長いものに巻かれるふりして巻かれない速水のズル賢さが、対権力で発揮されるからこそ、スカっとするのでしょう。
【あてがきなのに、らしくない大泉洋?】
原作小説は大泉さんのあて書きだったにもかかわらず、撮影現場では吉田大八監督から「今の大泉さんぽいから」とNGが出たりして、大泉さんは苦労したそうです。でもアンチヒーロー的な速水をコミカルに魅力的に仕上げたのは大泉洋の力です!
加えて共演は、主演級のスター俳優が勢ぞろい。それぞれキャラが立っており、ひとりひとりに輝く見せ場があるのが凄いです。
文芸誌編集長を演じる木村佳乃さんの隣とした魅力、人気作家を演じる国村隼さんの驚きのヴィジュアルとユニークな傲慢キャラ、中村倫也のお坊ちゃま感。
そして高野を演じる松岡茉優さんは、観客にいちばん近い視点を持つキャラクターとして共感度が高く、スクリーンの中に引き込んでくれます。個人的には小林聡美さんが演じるユニークな文芸評論家がツボでした。
このメンバーをまとめあげたのは吉田大八監督の演出力。『桐島、部活やめるってよ』で、悩み多き高校生たちそれぞれを輝かせた群像劇の名手の仕事、さすがですね!
後半、明らかになっていく真実に笑ったり、関心したり、スカっとしたり、最後まで楽しませてくれる『騙し絵の牙』。絶賛おすすめ中、ぜひぜひご覧くださ~い!
執筆:斎藤 香 (C)Pouch
『騙し絵の牙』
(2021年3月26日より、TOHOシネマズ日本橋ほか全国ロードショー)
監督:吉田大八
出演:大泉洋、松岡茉優
宮沢氷魚、池田エライザ/斎藤工、中村倫也、佐野史郎、リリー・フランキー、塚本晋也/國村隼、木村佳乃、小林聡美、佐藤浩市













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