【最新公開シネマ批評】映画ライター斎藤香が現在公開中の映画のなかから、オススメ作品をひとつ厳選して、本音レビューをします。

今回ピックアップするのは、キアヌ・リーブス主演の人気シリーズ『ジョン・ウィック:コンセクエンス』(2023年9月22日公開)です。

2014年公開の第1作目『ジョン・ウィック』が高評価。その後、『ジョン・ウィック:チャプター2』(2017年)、『ジョン・ウィック:パラベラム』(2019年)が公開され、キアヌと真田広之さんの共演や大阪が舞台となっていることが話題の本作はシリーズ4作目です。

劇場で観てきましたが、あらゆるアクションが網羅されたド派手な映画でしたよ! では、物語から行ってみましょう。

【物語】

裏社会の掟を破り、全てを牛耳る組織・主席連合から命を狙われ続ける伝説の殺し屋ジョン・ウィック(キアヌ・リーブスさん)。

Keanu Reeves as John Wick in John Wick: Chapter 4. Photo Credit: Murray Close

組織の中でもジョンの命を奪うことに燃えるグラモン侯爵(ビル・スカルスガルドさん)はかつてジョンの友人だった目が不自由な凄腕の殺し屋、ケイン(ドニー・イェンさん)を仲間に引きずり込みます。

ジョンは大阪コンチネンタルホテルの支配人・シマヅ(真田広之さん)に助けを求めるため日本へ。

そこにケイン、そしてジョンの首にかかった賞金目当てのトラッカー(シャミア・アンダーソンさん)が現れ、ホテル内でとんでもないバトルが繰り広げられるのです!

【キアヌが世界中で命がけの追いかけっこを繰り広げる】

第1作目の『ジョン・ウィック』では妻の形見の愛犬を殺された上に、愛車を破壊されたジョンが「俺の大切な思い出を壊しやがって」と、復讐のために裏社会に復帰するお話。

それがシリーズ化されるやどんどん話が大きくなり、ジョンと裏社会の面々との追いかけっこが、世界規模になっていくのです。

【謎のネオンとキアヌの日本語】

前半の大バトルの舞台が大阪ってところがいいですね。舞台となる大阪コンチネンタルホテルは、兜や刀のギャラリーのような空間があり、近未来のクールな内装がかっこいモダンなホテルです。

真田さん演じるシマヅは侍みたいでホテルに支配人に見えないのですが、ジョンが助けを求めるだけあって、どっしり存在感があります。やっぱり真田さん、かっこいい!

ふたりが密談をするホテルの屋上は隣のビルの大きなネオンがギラギラ輝いて見えますが、その文字は「初志貫徹」!

そこでキアヌが真田さんに「迷惑かけてすまない」などと日本語でご挨拶するというシュールな光景……なかなか微笑ましかったですよ。

【まさにアクションのテーマパーク】

『ジョン・ウィック』シリーズといえば、畳み掛けるさまざまなアクション!

今回もやっぱりアクション祭りで、銃撃戦はもちろん、刀での殺陣、肉弾戦にカーアクションなど、ジョン・ウィックを仕留めるためにあらゆるアクション技が繰り出されます。これぞまさにアクションのテーマパーク状態!

真田さんに匹敵するスターといえば、キング・オブ・アクション俳優のドニー・イェン。彼が演じるケインは目が不自由なのに相手を察知する能力が高く強い強い! 気配切り、気配撃ちがハンパなくて、めちゃくちゃかっこよかったです。

ちなみに私が1番ウケたのは、後半に登場するフランスでのアクションシーン。長い長い階段でのアクションでジョン・ウィックがとんでもない目にあうのでぜひ注目していただきたい! 凄すぎて笑っちゃいましたよ。

恋愛要素はゼロですが、感動要素はあるんです。シマヅと娘(リナ・サワヤマさん)の父と娘の絆を見せるシーン。日本人親子らしい情が見られてよかったです。ジョンとケインの関係性の変化などにも注目していただきたい!

とにかくアクションが好きで、スカッと楽しみたい人は必見! キアヌの不死身ぶりを大スクリーンで見てください!

執筆:斎藤 香(c)pouch
Photo:®, TM & © 2023 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.

『ジョン・ウィック:コンセクエンス』
(2023年9月22日より全国ロードショー)
監督:チャド・スタエルスキ
出演:キアヌ・リーブス、ドニー・イェン、ビル・スカルスガルド、ローレンス・フィッシュバーン、真田広之、リナ・サワヤマ ほか