「茅乃舎」は結婚式の引き出物で貰うと嬉しい、ちょっと贅沢なおだし。
そんなイメージを持っていた私が参加させていただいたのは、茅乃舎ブランドのルーツである「久原本家」による日本食文化を体験するツアー。
久原本家の始まりとなった「醤油蔵」や茅乃舎のルーツでもあるレストラン「御料理 茅乃舎」などへ行ってきたのですが、ツアー中どこを訪れても久原本家の “愛” を感じて、私の心がずーっとほっこりしていたんです。
私が感じたこの “愛”、皆さんにもシェアさせてください!
【到着したのは温かい田舎町】
そもそも「久原本家」と「茅乃舎」の違いを知らなかった私。「久原本家」は食品メーカーで、そのブランドの1つが化学調味料・保存料を使わない「茅乃舎」なんだそう。
そんなツアーで訪れたのは「久原本家」が生まれたのは、福岡県・博多から車で約40分ほどにある久山町(ひさやままち)。
畑や田んぼなど自然に恵まれていて空気が澄んでいるのはもちろん、見ず知らずの私に道ゆく小学生が笑顔で「こんにちは〜!」と声をかけてくれる、とっても温かい町です。
【麹を作るのは熱さとの戦い】
久原本家の醤油蔵がスタートしたのは、今からおよそ130年前。それからずーっと福岡の地で様々な調味料を作り続けているんです。「久原醤油」と聞いたらピンとくる方がいますでしょうか。
お醤油を作る大きな樽が並んでいるお部屋には圧巻。ここはいわゆる天然醸造で、普段の環境そのままでゆっくり熟成させているため、まろやかなお醤油になるんですって。
お次は麹を製造する場所へ。初めて足を踏み入れたのですが、麹のいい香りが漂います。
しかし、ふと目にした温度計の数値にびっくり。だって、この部屋の温度は29.4℃で湿度50%もあるんです……蒸し暑ぅ〜〜〜〜!
でも、繊細な麹にとっては最適の環境なんですって。
ちなみに、納豆菌が繁殖してしまったら台無し。なのでこの作業をする前日から納豆を食べないように気を付けているそう。納豆ってそんなに強いのね……。
【畑からなんかいい匂いがするぞ!?】
醤油蔵をあとにし、到着したのは畑。
なぜこのツアーに畑?と疑問に思っていたのですが、ここに着いたときから私は気づいていました。この畑からおだしのいい匂いがすることをね……!!!
ここは、元々イタリアンの名店のシェフだった城戸勇也さんが手がける自然農園「里山サポリ」の畑。
お話によると、茅乃舎の工場から出る「だしの残り素材」や卵の殻、米ぬかなどから作った自家製の肥料を使っているからいい匂いがするんですって。そんな肥料が使われた畑の畝(うね)を覆う黒いビニールのシートでさえ、とうもろこし由来の植物性ビニールを使うこだわりっぷり。
城戸さんの畑ではイタリア野菜を中心に作っているということで、実際にサラダをいただいたのですが……新鮮そのもの!
野菜本来の甘味、葉っぱの苦味や酸味は茎からでしょうか。わずかに感じるエグみすら “味” として受け入れることができる、不思議な体験をしました。
【茅乃舎の原点・御料理 茅乃舎へ】
この「里山サポリ」で作られたサラダを食べたのは、立派な茅葺き屋根が特徴の「御料理 茅乃舎」。ここは “ファーストフード” の反対語である “スローフード” との出会いから生まれたレストランです。
「最近、忙しくって体を労わってあげれていなかったんだな〜」と自然に思ってしまうように、全部のお料理が優しく身体に染み込んでいくのがわかるんです。
どんなお料理を楽しんだかは、また次回の記事でたっぷりお伝えしますね!
【出会った人がみんな、この町を愛していた】
久原本家、そして茅乃舎を通じて九州の食文化を体験させていただきましたが、どこへ行っても感じたのが久山町への愛。
本当にこの土地が大好きで、ここの良さを伝えたいという思いが、人や食、空間を通じてひしひしと伝わってきました。
帰り道に「私って普段、どんなスピードでご飯を食べているだろう?」「ちゃんと味わって食べているかな、感謝できているかな」なんて考え、学ぶことができたのもこのツアーのおかげです。
参考リンク:久原本家
執筆・撮影:あんすず
Photo:(c)Pouch
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